中国の四川大学と米ハーバード大学の研究者が、「自己修復性」を持つゴムを共同開発した。このゴムは損傷を自ら修復し、天然のゴムのような強靭性を持つ。同技術には幅広い応用の潜在力があり、例えばこれを利用し自動修復するタイヤを作れば、損傷後に直ちに交換する必要がなく、事故のリスクを低減できる。科技日報が伝えた。
通常のゴムの分子は共有結合で結ばれており、強度が高いが断裂後に回復できない。ある科学者は自己修復性を持ったゴムを開発していたが、分子は水素結合で結ばれ、断裂後に回復できるが強度が低かった。
水素結合と共有結合を結びつけることで、強靭で自己修復性を持つゴムを開発できる可能性があるが、この2つの結合は共存が困難だ。研究者は米Advanced Materials誌で、関連しあう「randomly branched polymer」と呼ばれる鎖状ポリマーを用い、分子スケールで水素結合と共有結合を一つにすることに成功した。
この新型ゴムは引っ張られると網状の模様を形成する。亀裂のように見えるが完全に裂けることはなく、繊維状の物が連結している。網状の模様は引っ張る力を分散させ、材料が修復不可能になる深刻な断裂を防止する。引っ張る力が失われると、ゴムは元の形状に戻り、約30%の引張強度を残す。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年8月21日
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