明仁天皇の初孫、眞子内親王がこのほど、大学時代の同級生である小室圭さんとの婚約をを正式に発表した。結婚式は来年の秋に行う予定だ。眞子内親王が結婚すると、日本の皇室の人数は18人となり、天皇の孫の代は男子が一人のみとなる。そのため、日本国内では再び皇族断絶の危機を懸念する声が挙がっており、同時に女性の皇位継承権に関する議論も盛んになっている。
小室圭さんは眞子内親王の大学時代の同級生で、現在はある弁護士事務所で勤務しつつ、同時に一橋大学の大学院で学んでいる。
日本で1947年より施行されている「皇室典範」によると、皇室女性は一般人と結婚すると、皇室から離脱すると定めている。この点について眞子内親王は早い時期からすでに心構えをしていたようで、「幼い頃から結婚は皇室から離脱する時だと理解しており、その心構えで今日まで歩んできた」と語り、「暖かく、心地よく、笑顔いっぱいの家を作れれば、うれしいことです」と笑みを浮かべながら語った。
皇族女性の一般人との結婚には先例がある。2005年に天皇の娘である清子内親王(当時)が公務員に降嫁し、黒田清子となり、皇室から離脱した。
日本の皇族の数は少なくなっており、女性が皇位を継承できるかどうかが真剣に議論されている。現在、日本の皇室はわずか19人。眞子内親王が降嫁すると18人になり、そのうち6人が未婚の女性だ。残りの12人は、10歳の悠仁親王を除く全員が50歳以上となっている。皇室全体の高齢化と未婚女性の結婚に伴い、皇室メンバーの数は更に減少していくとみられている。
「皇室典範」では、皇位を継承できるのは男子のみと定めている。そのため孫世代の唯一の男子として、10歳の悠仁親王に皇室継承の重責が課せられている。
皇室の人数の少なさに対し、日本の各界からは女性に皇位継承権を与えることをめぐる議論が取りざたされている。2005年には小泉内閣が「皇室典範」の修正を検討し始めた。修正する内容には、女性の皇位継承の承認や皇室女性と結婚した男性を皇族に加えることを許可するといった内容が含まれていた。しかし、2006年の悠仁親王の誕生で、皇室継承問題は一時的に安定し、「皇室典範」の修正も棚上げとなった。
だが、男子一人では人々の皇位伝承の安定性への懸念を打ち消すことはできず、2012年、当時の政権与党であった民主党は、皇族女性が結婚後も皇室に残る「女性宮家」の創設を提案したが、皇室の女性が増えることで、皇室の父系継承の伝統を崩壊させてしまう可能性があるとして、保守派の強い反対を招いた。結局、民主党が政権の地位を去ったことで、この案もお蔵入りとなった。
明仁天皇が昨年8月に「生前退位」を表明すると、「皇室典範」修正が再び熱い議論が交わされることとなり、民進党は、「皇室典範」を修正し、「女性宮家」の創設を許可することを呼びかけたが、安倍首相を初めとする保守派の激しい反対に遭った。
安倍首相は2012年に二度目の総理大臣に就任前に、週刊誌「文芸春秋」に「女性宮家」に反対し、「旧宮家」の皇籍復帰と皇位の父系継承を主張する文章を発表。2017年1月には衆議院予算委員会で、皇位継承を安定させる措置として、「旧宮家」の皇籍復帰が考えられると意見を述べた。安倍首相は「女性活躍」の成長戦略を主張し、「女性エコノミー」を提唱し、女性の就業率の向上と「女性リーダー」を推進しているにもかかわらず、皇位継承問題においての立場は彼の保守的立場を露見させたと言える。
今年6月に天皇退位特例法が成立し、政府が皇室メンバーの減少に対応するため、「女性宮家」創設を対策として迅速に研究を進めることを定めた。共同通信社が行った6月の世論調査によると、「女性宮家」の創設を支持する国民の割合は63.8%に達したという。また、以前の民意調査では、女性が天皇になることを賛成する国民の割合は86%だったことも明らかになった。
共同通信社によると、女性に皇位継承の資格も与えず、「女性宮家」も創設しないならば、皇室の維持はますます深刻になるだろうとしている。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年9月11日
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