シェールガスからメタンハイドレート、更にハイダイナミックレンジ(HDR)まで、今年に入って中国は新エネルギーの分野において数多くの重要な進展を実現した。国土資源部(省)の鉱産資源貯蔵量評価審査センターの張大偉センター長はこのほど上海で、国土資源部が国務院にメタンハイドレートの新しい鉱物種を登録申請しており、「天然ガス水和物探査規範」をまとめていることを明らかにした。
天然ガス水和物は、メタンハイドレートとも呼ばれる。今年5月10日、中国は南中国海の神狐海域でその試験採掘に成功した。7月9日までに、60日間連続で試験掘削と点火を行い、累計30万9千立方メートルのガスを産出し、1日当たりの生産量が5151立方メートル、メタンの含有量が99.5%にまで達した。
張センター長は、「現段階において、メタンハイドレートは依然として潜在エネルギー源で、採掘のコストはまだ高い。科学技術による問題解決が進むにつれて、2030年には中国のメタンハイドレートの生産量は10億立方メートルに達する見通し」とした。
技術の進歩につれて、シェールガスは独立した鉱物種として、中国ではすでに潜在エネルギー源から実用的なエネルギーへ切り替えることを実現した。張センター長は、2016年の中国のシェールガスの生産量は78億8200万立方メートルに達し、2017年の生産量は米国、カナダの後に続き、世界3位の100億立方メートルに達する見込みだと紹介した。
中国のシェールガスの発展計画によると、その生産量を2020年までに300億立方メートル、2030年までに800億から1000億立方メートルまで向上させることに尽力するとしている。張センター長は、「現状から判断するに、この目標は実現可能で、やや保守的と言えるくらいだ」とした。
今年にはいり、長江沿いのエリアで中国シェールガスの採掘が重大な進歩を見せ続けている。現在までにすでに明らかになっているシェールガスの地質埋蔵量は累計して7643億立方メートルに達している。そのうち、重慶市◆陵区(◆はさんずいに倍のつくり)のシェールガス田における地質埋蔵量は6008億立方メートルで、北米以外で最大のシェールガス田となっている。
エネルギー分野の専門家は、大自然が人類に与えたエネルギーの総量は想像を遥かに超えており、まだ採掘されていない将来的なエネルギーはまだ多く存在するとしている。
ハイダイナミックレンジとは新たに注目を集め始めた名前だが、これは地熱エネルギーの一種で、埋蔵量が巨大で、その分布は広範囲となっており、排出がほぼゼロ、熱エネルギーの連続性にも優れており、高い商業価値を備えていると見られている。先ごろ中国は青海省の共和盆地の地下2230メートルの地点で温度236度の良質なハイダイナミックレンジの発見に成功し、ハイダイナミックレンジ探査において重要な進展を実現した。
張センター長は、ハイダイナミックレンジに対し、世界にはさまざまな定義が存在しているため、中国は自国の「ハイダイナミックレンジ探査技術要求」を現在まとめているとした。現在、中国の定義では、ハイダイナミックレンジは温度150度以上、深さは6000メートル、内部には液体が無いかまたは液体が少ない高温岩のこととしている。目標計画によると、2020年から2030年まで、中国ではハイダイナミックレンジの商業的実用化の可能性が見込まれている。
また、国土資源部は国際通用基準とマッチング関係を築いており、中国鉱産資源埋蔵の基準を世界に広げることに現在積極的に取り組んでいる。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年10月17日
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