「冷戦思考」「対立感情と反露傾向に満ちている」「偽り」。米国の「核態勢の見直し(NPR)」が中露の「核の脅威」を誇張したことを受けて、ロシア外務省と中国国防部(国防省)は先週末、相次いで声明を発表した。環球時報が伝えた。
7年ぶりのNPRは低出力核弾頭の開発に尽力するとし、中露の核開発を非難すると同時に、核戦力の更新と三位一体の核戦力(ICBM、SLBM、戦略爆撃機)のための予算を増額すると表明した。
報告は冒頭からいわゆる「挑戦」について「米国は核兵器の数を減らし続け、その突出した地位を引き下げ続けてきたが、ロシアと中国を含む他国は逆の道を歩み続けてきた」と指摘。「柔軟な方法で様々な敵、脅威、状況を効果的に抑止する」「侵略が受け入れようのない危険と耐えようのない代償をもたらすということを潜在的敵国に分からせる」とした。中国に対しては、米国の核戦略は核兵器の調整であり、中国が核兵器を用いてアジアで優勢を獲得してよい、または限定的な核兵器の使用が認められると誤って認識することを防ぐとした。
中国国防部は同日、「中国の発展の意図を勝手に推測し、中国の核戦力の脅威を誇張した」としてNPRに「断固たる反対」を表明。「中国は防御的な国防政策を揺るがず遂行し、自らの核戦力を国の安全に必要な最低限の水準の終始維持している」と重ねて表明し、世界最大の核兵器保有国である米側に対して「自らの核軍縮の特殊で優先的な責任をしっかりと引き受け、中国側の戦略的意図を正しく理解し、中国の国防・軍建設を客観的に受け止める」よう促した。
ロシア外務省は現地時間3日夜、NPRに「深い失望」を表明。「極限状況」で核兵器の使用を検討しうるとの表現について、軍事的状況に限定されるわけではないことを理由に、懸念を表明した。さらに、NPRは軍事的状況についての定義も曖昧であり、米側の目に映る「侵略者」によるいかなる武力の使用も、核兵器使用の口実にされうる。NPRは、米国はロシアや中国を敵と見なしたくはなく、両国との安定的関係の構築を図っているとした。ロシア外務省はこれを「偽り」と批判した。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年2月5日
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