復旦大学脳科学研究院、復旦大学医学神経生物学国家重点実験室の鄭平教授が率いる科学研究チームは5年間にわたる研究を経て、環境要因が薬物への依存の記憶を呼び覚ます新しいメカニズムを解明した。これにより今後の依存解消における新たな標的を見つけたことになる。中国新聞網が伝えた。
薬物依存は深刻な社会問題となっている。現在すでに中毒者の依存を断ち切る効果的な方法が複数存在するが、長時間経過した後も外的環境が要因となり、深く封印された依存の記憶が呼び覚まされ、再び薬物に手を出すことがある。環境要因はいかにして依存の記憶を呼び覚ますのだろうか。これは世界の脳科学研究者が注目してきた重要な問題だ。
同チームの研究によると、脳内の前頭前皮質から扁桃体に向かう神経回路に対する環境要因による「二重刺激」は、環境要因が薬物依存の記憶を呼び覚ます重要な神経メカニズムの可能性がある。つまりこの過程に干渉する、もしくは環境要因を減らすことが、再発を防ぐ新たな方針になりうる。
研究者によると、環境要因は薬物依存のマウスの「細胞体」と「神経終末」において、関連する神経回路を二重刺激する。さらに研究を進めた結果、当該神経回路の関連遺伝子発現調節「分子」を上方調整することで、環境要因が依存の記憶を呼び覚ます効果を大幅に抑えることができることが明らかになった。関連研究成果は国際的に権威ある学術誌「BMC Biology」の最新号に掲載されている。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年2月6日
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