実店舗書店が経営難の中 日本の蔦屋書店はなぜ好調なのか (2)

人民網日本語版 2019年03月21日09:59

蔦屋書店のお客様第一の理念は、顧客がするさまざまな体験やイベント参加に現れている。代官山店にはたくさんの体験コーナーがある。この店にはジャズ、クラシック、ロック、ポピュラー音楽など多様なジャンルのCD12万枚のストックがあり、顧客は自分で選んで席に持っていき、コーヒーを飲みながら視聴することができる。レストランも独特で、四壁を古本や雑誌が埋め尽くし、食事をしながら、本や雑誌を手にとって眺めることができる。またシンポジウム、講座、コンサート、読書会などのイベントも定期的に開催され、大勢の参加者がある。

蔦屋書店によると、「大きな成功を収めた理由はデザインにある。あらゆる方面でお客様の視点から出発し、何が足りないか、何を必要としているかを考えた。ただお客様の思考に合わせるだけでなく、お客様を引っ張って新しいライフスタイルを体験してもらうにはどうすればよいかを考えた。書店を『家』に変え、蔦屋書店にいつまでもいたいと思ってもらえるようにしなければと考えた」という。

第3に、イノベーションを要とする点が魅力だ。蔦屋書店の発展は持続的なイノベーションのプロセスだといえる。1983年の創業時、伝統的な「書店は本を売る」という理念を打ち破り、本を売るだけでなく、ビデオやDVDも売り、本と電子製品が一体化したチェーン型書店の販売モデルを確立した。2011年にもモデル転換を実現し、書店の空間を再構築し、ただ本を売るだけから、本と商品を一緒に置く、本によって商品を売る、本によって商品を薦めるへとモデル転換し、ビッグデータに基づく販売モデルを実現した。たとえば顧客が本を1冊買った場合、ビッグデータがその顧客の好み、趣味、関心をすぐに分析し、興味がありそうな本や雑誌を薦める。蔦屋書店は膨大な消費者のデータを利用して、書物を購入する層を分析し、分析結果に基づいて選りすぐりの本を選び、精密で正確な本の仕入と販売を行っている。

蔦屋書店には、1週間に1冊の本だけを売るという販売モデルもある。専門的な調査研究に力を入れ、利用者のSNSデータを収集し、来店者の読書傾向を分析し、その上で出版情報を踏まえ、利用者が興味を感じると思われる本、最もすすめ甲斐のある本を選び抜いて提示する。1週間に1冊だけだが、これまでの1冊はどれも好調な売れ行きだったという。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年3月21日

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