日本経済の高度成長期には、中産階級になり、1つの企業で一所懸命に働き、年功序列によって徐々に昇進昇給し、決められたレールを進んでいけば快適な生活は保障された。快適な暮らしのシンボルは一戸建てであり、現在の中国の中産階級が大きな窓のある高層住宅を追い求めるのと似ている。
こうして日本では若いパパたちが30年以上のローンを背負ってでも家を買い求めるようになった。
しかしバブル経済が崩壊すると、日本の若い世代は一戸建てへの興味を失っていった。今や30歳以上の自立するはずの年代の日本人でさえ、持ち家率は下降の一途をたどって10%に低下し、平屋を自分で建てる人の割合はさらに低い。バブル経済で今の多くの若者の親世代が資産を失い、当時子どもだった彼らの心に暗い影を落とした。また若い世代はお金を住宅に使うのではなく暮らしの質を高めるのに使いたいと考えている。
つまるところ、問題の最も根本にあるのはお金がないという現実だ。
日本社会では終身雇用と年功序列が普及し、年長の社員が長らく企業の中位・上位のポジションを独占し、若い社員を出世の道からはじき出してきた。若い社員は発展チャンスもなければ、出世の可能性もないまま、長らく職場の最下層に押しやられ、賃金は安い。そこで家を買わず、結婚もしなくなり、結婚率は低下を続け、ひいては高齢化問題を深刻化させている。
21世紀になると、日本の若者は両親と同居する割合が高まり、上昇ペースもさらに速くなった。自分の家を買えないため、2010年以降、30歳前後で両親の家に住んでいる人の割合が約3分の1に達した。20代で結婚した人の5分の1が両親と同居している。何年も家から出たことのない「引きこもり」も登場した。
家を買って独立するという社会的観念が、家を買えない現実によって徐々に崩れてきている。こうした時代に呼応するように二世帯住宅が登場。これはバージョンアップした一戸建てだといえる。これまでのような成人すると家を出て独立した生活を営むという観念は、高齢化の波の中で徐々に崩壊している。
日本では持ち家率は低下してもなお高水準を保ち、一戸建ての中産階級のシンボルとしての位置づけには何の変化もない。一戸建ては標準的な日本人の暮らしの象徴であり、日本経済の勃興発展の歴史を今に伝えるものでもある。これと同時に、高まる空き家率は高齢化を迎えた日本の人口減少の写し絵でもある。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月30日
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