「ヒョウタン兄弟」の生みの親、胡進慶監督が死去

人民網日本語版 2019年05月14日11:15
「ヒョウタン兄弟」の生みの親、胡進慶監督が死去

「ヒョウタン兄弟」や「しぎと烏貝が相争う」など中国の名作アニメの制作を手掛けた上海美術映画製作所の胡進慶監督が、病気のため、上海で13日に亡くなった。享年83歳。新華網が伝えた。

胡監督は、1936年に江蘇省常州市で生まれた。1950年代以降、上海美術映画製作所において、前後して「驕慢な将軍」、「猪八戒がスイカを食べる」、「漁童」、「人参娃娃」、「金色のホラ貝」など約40作のアニメーションの制作を手掛けた。監督は、切り紙アニメーションを得意とすると同時に、各種アニメーションにも関わり、独特の作風を創り上げていった。

1980年代、胡監督の短編アニメ映画「しぎと烏貝が相争う」が、ベルリン国際映画祭(当時の西ベルリン国際映画祭)で一躍有名となり、最優秀短編映画部門「銀熊賞」を受賞した。水墨画アニメである同作品は、中国古代の寓話仕立てで、「争っているシギとハマグリを一度に漁師がつかまえた」という「漁夫の利」の故事成語をアニメにすることで、国内外で幅広く評価された。

その後、胡監督ら上海美術映画製作所の主要制作スタッフは、「ヒョウタン兄弟」の制作に携わった。胡監督と他の2人の監督は、中国国内で大きな影響を及ぼしたTVアニメシリーズを共同で監督し、「ヒョウタン兄弟」のイメージを創り上げた。そして今や、「ヒョウタン兄弟」は、「齊天大聖孫悟空」に続き、中国著作権市場で最も人気が高いアニメキャラクターの一つとなっている。

胡監督は、中国の切り紙アニメーション創始者の一人でもある。彼はかつて、アニメーターの先駆者である万古蟾氏と共同で、中国初の切り紙アニメーション「猪八戒がスイカを食べる」を制作した。その後、「拉毛(表面の凹凸感が活かされた立体的手法)」という切り紙の新技術を発明し、それを用いることで水墨画の雰囲気を備えた切り紙アニメーションの制作に成功し、中国アニメーションの幅を広げることに貢献した。(編集KM)

「人民網日本語版」2019年5月14日

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