日本では多くの企業が60歳になった社員のために退職手続きを取り、それから再雇用という形で働き続けられるようにするが、給与は退職前の約70%に減額される。元の職場で働き続ける人の中には、家計を助けるためという人もいれば、社会貢献のためという人もいる。
日本の総務省が発表したデータをみると、18年の外国人を含む日本の総人口は1億2644万3千人で、前年比26万3千人減少し、8年連続の減少となった。このうち15~64歳の生産年齢人口は51万2千人減少し、1950年以降の最低を更新した。昨年10月、日本政府は新政策を積極的に推進し、外国人労働者の受け入れ拡大の方針を打ち出した。
若い人は子どもをほしがらず、高齢者はますます長寿になり、高齢化と少子化が同時に起こって、日本の「人口危機」を招いている。「高齢者雇用安定法」の施行からの5年間に、国の社会保障負担が重く、財政状況がますます悪化するという問題は依然として解決できていない。日本の18年度予算の執行計画によると、通年の予算総額は95兆円で、年金や医療保険などの社会保険には32兆円が回され、実に国家予算の3分の1を占める。
中国現代国際関係研究院の胡継平院長補佐(日本問題が専門)は、「退職年齢を引き上げるだけでは日本の高齢化問題は緩和することしかできず、問題の根本的な解決には不十分だ。ここ数年、日本は解決に向けて動き出し、外国人の日本での就労の制限を緩和するなどしている。現在、日本で働く外国人労働者は労働者全体の約2%に過ぎず、今後も緩和の余地は大きい」と述べた。
▽人口と高齢化のループ
日本の経営コンサルタントで「ミスター・ストラテジー」などと呼ばれる大前研一氏は著書「低欲望社会:『大志なき時代』の新・国富論」の中で日本高齢化の様子を描き出した。若い人は結婚せず、子どもをもたず、家も車も買わない。高齢者は花を育て、犬の散歩をし、年金で暮らし、3500万円の遺産を残してこの世を去る。こうした状況の中、出生率は低迷を続け、国家経済は停滞して前に進まない。
日本政府は消費の喚起を考えないわけではない。昨年11月には、10兆円規模の経済活性化プランを打ち出し、自動車税の引き下げ、買い物ポイント付与などによって、消費税率引き上げの影響を相殺しようとしている。消費税率引き上げという国内消費への打撃が大いに予想される措置を、日本は2回にわたって先送りしてきた。
より重要なことは、日本が直面する人口問題は状況が複雑で、単に高齢化の問題にとどまらないということだ。昨年末、日本では国籍に関係なく「無償で住宅を提供」のニュースが話題になった。ますます多くの若者が都市部に押し寄せ、それまで暮らしていた家は空き家になって取り残され、家と人とのアンバランスな状態はもやはコントロール不可能だ。日本の関連部門の予想では、40年までに日本では900の地方都市や村が消滅するという。