中国の「信頼できないエンティティ・リスト」の対象は誰か (2)

人民網日本語版 2019年06月04日10:04

特にここ数年、米国の「エンティティ・リスト」の標準はますます複雑で曖昧になっている。ファーウェイに対する制裁と供給停止は米国のリストがグローバルバリューチェーンの安定性を破壊し、ひいては非ビジネス的行為や悪質な競争を行うためのツールに変わってしまったことを意味する。そこで、中国が「信頼できないエンティティ・リスト」制度を速やかに構築するのは、対外貿易の法律制度を整え、中国の対外貿易関係を保護するための措置というだけでなく、当面の国際経済貿易環境の変化に対応するために必要な措置だ。

【記者】商務部は、近くリスト対象者に対して採用する措置を発表するとしている。この分野での国際ルールと国際的慣例の考察と合わせて、今後採用される可能性のある措置について分析できるか。

【崔教授】リストに盛り込まれる前と盛り込まれた後に、関連当局が一定の調査プロセスを踏むことになる。関係企業が申し立てをしたり相応の約束をしたりして、リストに盛り込まれるのを回避することを認める。またはリストに盛り込まれた後で一定の条件を満たす場合はリストから除外されることになる。こうしたプロセスは動的なものになる。

実際の操作では、「信頼できないエンティティ・リスト」自体が一定の警告の役割を果たすことができるのであり、中国や各国の企業に対して、リストに盛り込まれた信頼できないエンティティはさまざまな原因で供給チェーンの安定性を保証する能力を欠くと明らかにしたのと同じことだ。他国の類似の規定を踏まえれば、リストに盛り込まれた企業はリスト制定国の輸出規制や輸入障壁にも直面する可能性がある。中国の反独占法に基づき、市場での支配的地位を乱用する行為は罰金に処せられる可能性がある。今後、中国の「信頼できないエンティティ・リスト」制度がどのような関連の法律と行政措置を採用するかについては、商務部などの関連当局がさらに明確にするのを待たなければならない。

【記者】他国と比較して、中国の「信頼できないエンティティ・リスト」制度は執行過程でどのような特色があると思うか。外国法人と中国との協力展開にどのような影響があるか。

【崔教授】中国が「信頼できないエンティティ・リスト」制度を構築するのはまず自国の重要な産業供給チェーンの安定性を保証するためであり、中国のケースと他国が「エンティティ・リスト」を通じてカギとなる技術・製品の輸出を制限するのとでは目的が異なる。

他国の「エンティティ・リスト」制度の主要措置は輸出規制であり、中国の「信頼できないエンティティ・リスト」制度の主要措置は異なるものになる可能性があり、リストに盛り込まれた企業に対してその他のいくつかの制限や処罰措置を実施する可能性を排除しない。同時に、中国は各種の対外貿易調査制度を設計・整備するプロセスの中で、一方では先進国の関連制度の合理的要素を参考にし、また一方では中国自身の貿易政策や貿易法の多角的なコンプライアンスを厳格に保証することになる。

「信頼できないエンティティ・リスト」に盛り込まれた企業は主に貿易ルートを通じて中国市場に供給する企業で、物流企業も含まれる可能性があり、在中国の外資系企業であるとは限らない。注意しなければならないのは、リスト措置は主に貿易行為を対象にするものであって投資行為を対象にするものではないということだ。中国の法律と政府当局はあらゆる在中国外資系企業の合法的な経営行為に対して常に十分な保護を与える。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年6月4日

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