無印とイケアが王座から陥落しつつあるのはなぜ? (2)

人民網日本語版 2019年07月26日11:14

中国EC協会ネットワークマーケティング研究センターの唐興通・専門委員は取材に答える中で、「一方で、無印良品とイケアが中国で急速に成長した大きな原因は、新興中産階級の消費者がひたすら崇拝し、ひたすら追いかけたことにあるが、無印の製品もイケアの製品も耐久消費財であり消耗品であるため、消費者が繰り返し購入することによる市場の増加量は相対的に緩やかであり、最初の新鮮さがなくなるとそれほど素晴らしいものには感じられなくなった。また無印にもイケアにも中国市場で一連の競争相手が生まれ、中国現地ブランドも誕生・発展し、製品でも価格でも競争で優位に立つようになった。さらに中国人の自国製品を好む傾向も加わり、消費者はより理性的になり、コストパフォーマンスを考えて買い物をするようになった」と説明した。

デザインの優位性が失われ、中国現地ブランドが誕生・発展したことが、無印が少しずつ王座から陥落していった重要な原因だ。無印の製品デザインは実用性と持続可能性を強調するため、何年も変わらないことが多く、これが新鮮な感覚を求める消費ニーズと合わなくなった。同時に、無印の「ノーブランド」というブランドの位置づけやイメージ、変わらないデザインが低コストの「パクリ」製品の格好のターゲットになった。税金や関税の関係で、海外市場での無印製品の価格は日本国内での販売価格よりかなり高くなる。名創優品(MINISO)、諾米家居(NOME)、OCEを含む中国のライバルたちは製品のスタイルで無印の製品に近づきながら、価格はかなり安く、現地生産の強みを活かして急速にビジネスを拡大し、ショッピングセンターに進出し、家具・インテリア生活館や家具・インテリア製品の集合店舗をオープンし、家具・インテリアの新小売市場のパイを急速に獲得していった。

イケアの巨人神話が崩壊したのは、ECで出遅れたことと大きな関係がある。中国の家具・インテリア企業はEC事業を加速し、オンラインとオフラインの一体化を模索している。18年には家具・インテリア業界大手の居然之家、紅星美凱竜が「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)でそれぞれ120億元(1元は約15.7円)と160億元の成果を上げた。イケア中国法人は18年10月になってやっとEC開拓の一歩を踏みだしたが、中国進出からすでに20年が経っていた。より重要なことは、イケアは一貫して北欧ムードを基調としているため、地域と時間の枠を超えられるかどうかの試練に立ち向かわなければならないということだ。イケアが今、向き合うのはミレニアル世代の若者層であり、新しい考え方をするこの若い世代は、シンプルな空間の中で個性と暮らしの質を体現したいと期待している。

またイケアが誇る動線を重視した売り場のデザインはますます人気が低下している。財経網の微博(ウェイボー)がこのほど実施した調査によれば、回答者の61.9%が「イケアの迷路のようなショッピング体験に不満」と答えたという。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年7月26日

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