中国科学院大連化学物理研究所クイック分析・検査・測定研究グループの李海洋研究員と侯可勇研究員のチームは、雲南警官学院麻薬分析・麻薬取締技術公安部重点実験室と協力し、揮発性が高い麻薬と低い麻薬の混合物を迅速に同時検出できるイオントラップ質量分析計を開発した。フェンタニルなどの揮発性の低い麻薬に対する同装置の検査・測定の感度は50ピコグラムに達している。関連の研究成果の全文は米国の学術誌「American Journal of Analytical Chemistry」に掲載されている。科技日報が伝えた。
麻薬生産者は近年、各種麻薬を混合し、薬効混合新型麻薬を作っている。これらの異なる麻薬が相互に混ぜあい、薬効を高める混合麻薬は危険性が高く、麻薬現場クイック識別技術により高い条件を突きつけている。しかし現在使われている従来の検出器(スペクトル・クロマチンの組み合わせや免疫反応など)は、現場での迅速かつ正確な検査・測定の需要を満たすことができない。
李氏は「その原因は主に各種麻薬の沸点の差が大きいことにある。混合麻薬の検査・測定では揮発性の低い麻薬に対する感度が低く、また揮発性の高い麻薬のピークの時間が短いことから、混合麻薬の全成分の検査・測定が困難になっている」と説明した。
研究者は新型イオントラップ質量分析計において、新型ライトフラッシュ熱分析システムを設計した。3秒内で解析プール内焦点付近の麻薬を290度まで加熱することで、揮発性の低い麻薬の迅速な気化を実現した。揮発性の低い麻薬ノスカピンに対する検査・測定の感度は、過去と比べ60倍以上に高まった。
この装置はモデル応用の段階にあり、雲南省の麻薬取り締まりの第一線で複数回応用された。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年8月22日
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