中国外交部(外務省)はこのほど、第9回中日韓外相会談が今月21日に北京で開催されることを明らかにした。韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相、日本の河野太郎外相が出席し、3ヶ国の協力の未来について話し合い、国際問題と地域問題について意見を交換するという。(文:劉軍紅・中国現代国際関係研究院研究員。「環球時報」掲載)
残念なことに、目下の日韓関係の「政冷経冷」、中米間の貿易摩擦、北東アジアで十字に交差する対立軸が形成されていることにより、中日韓協力はかつてない困難と挑戦に直面している。新たな時局に直面する今、中国は「ASEAN+3」の議長国であり、中日韓首脳会談の議長国でもあり、心を砕いて、新たな協力の一致点を見いだし、新たな協力スタイルを模索し、新たな協力によって地域関係の緩和をはかり、地域内経済の発展を推進しなければならない。
今から20年前、中日韓の指導者は危機に共同で対応するため、ASEANのトップとともに「10+3」協力メカニズムを構築し、東アジアの特色を備えた産業チェーン、バリューチェーン、文化圏を推進・構築し、異なる社会制度、異なる発展水準、異なる文化・文明間の協力モデルを切り開いた。そして今、東アジア地域協力の主要ルートの中核として、中日韓は大きな知恵と勇気によって、多国間の、開放された、自由な貿易体制を守り、グローバル化に逆行する流れと保護貿易主義に抵抗しなければならない。
中日韓3ヶ国の経済規模は太平洋西岸で重要な位置を占め、合わせれば世界で1つの極を形成する。2018年の3ヶ国の輸出額は合計3兆8千億ドル(1ドルは約106.4円)で、世界全体の約20.1%を占め、輸入額は合計3兆4千億ドルで、世界の約17.2%を占める。中日韓自由貿易圏が成立すれば、世界貿易の舞台で「相当強いパワー」になることは間違いない。自由貿易圏建設で、中日韓は開放的、公開、制限なしとの方針を採用した。3ヶ国は10+3の枠組内でASEANおよびASEAN主要メンバー国との間で自由貿易協定(FTA)を締結しただけでなく、地域内外の各国と幅広くさまざまなタイプのFTAを締結し、世界レベルの貿易の集散地として、世界の自由貿易の拡大発展を効果的に促進している。韓国は世界3大市場の中国、米国、欧州とFTAに同時に調印したため、自由貿易カバー率が大幅に向上した。18年6月末現在、韓国は中米欧などとの間で15件のFTAを締結し、FTAカバー率は68.2%で、FTAの優等生といえる。日本も二国間のいくつかの経済連携協定(EPA)に選択的に調印し、欧州とのEPA、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)も締結した。同時に、3ヶ国はASEAN、中日韓、オーストラリア、ニュージーランド、インドを包括した東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、中日韓FTA交渉を積極的に推進し、FTAの陣地を広く築いてきた。中日韓が追求する相互に制限しない、積極的に開放された自由貿易協力メカニズムは、10+3やアジア太平洋経済協力(APEC)と相互にサポートし合って、世界貿易機関(WTO)の権威と地位を力強く守り、WTOが主導する多国間自由貿易システムを支援している。