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おいしいミュージアム!博物館が続々とオリジナル食品を開発 (2)

人民網日本語版 2019年08月30日09:57

中国国家博物館飲食文化センターの責任者である廖飛さんが大学で学んだのは文化財鑑賞。中国国家博物館で働いて15年になり、常設展示している文化財についてはすっかり把握している。飲食類の文化クリエイティブ商品の担当になってからは、文化財を見るとすぐに「どうやって食べるか」を考えるようになったという。

中国国家博物館の「十大至宝」の一つである「四羊方尊」は、国外への持ち出しが禁じられている特級文化財だ。しかし今、来館者はこの至宝を「四羊方尊3Dチョコレート」の形で持ち出すことができる。廖さんは、「文化クリエイティブ食品は『顔面偏差値』だけでは不十分で、中身があるかどうかがカギ。羊の象徴する意味として民間で最も広まっているのは『吉祥』。それに、羊には『跪いて乳を飲む』習性があり、両親に対する尊敬の手本ともされている。そこで、国家博物館は四羊方尊の『羊』と『尊』のイメージを残し、吉祥と目上の人への尊敬の意味を込めて、ミニチュアサイズのブラックチョコレートを作った」と語る。

中国国家博物館「四羊方尊3Dチョコレート」

廖さんは、どんな文化クリエイティブ商品を作ったとしても、その商品に中身と魂を与えるのは常に文化だと考えている。廖さんは、「現在は文化クリエイティブ商品の同質化競争が激しい。でも、自分たちの特色を備えたものを作り、表現したい意味を伝えられているだろうか。勝負しているのはその題材だと思う」と語った。

頤和園には貴寿無極院という場所がある。ここは、西太后が聴鸝館に京劇を鑑賞しに行く前に茶を飲み、お菓子を食べるための休憩所だった。貴寿無極院は、清朝宮廷スイーツを開発する上で文化的な環境を提供した。頤和園はスイーツを開発しただけでなく、貴寿無極院内の天井や渡り廊下の伝統建築紋様の要素を取り入れ、スイーツ商品とセットの紙ナプキンをデザイン。スイーツとも非常にマッチしたデザインとなっている。

頤和園の宮廷スイーツ

今年の夏、最も季節とシーンにピッタリだった文化クリエイティブ食品といえば、おそらく円明園のハスの花型アイスだろう。このアイス発売のバックグラウンドには、考古学上の不思議なストーリーがある。2017年、円明園の東側にある長春園の東南隅に位置する如園遺跡から、11粒のいにしえのハスの実が発掘された。中国科学院の専門家が丹精を込めて育てた結果、まいた種のうち6粒が発芽に成功し、今年の夏、円明園で花を咲かせた。7月31日から、円明園ではハスの花の形をしたアイスを発売し、半月足らずで5万本を売り上げたという。

円明園のハスの花型アイス

(編集AK)

「人民網日本語版」2019年8月30日

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