国家禁毒委員会弁公室は3日、北京で記者会見を開き、外国の在中国法執行・警察業務連絡官とメディアに対し、中国のフェンタニル関連物質取締状況を説明した。ブリーフィングによると、5月1日にフェンタニル関連物質全種類を取締対象にして以来、中国ではフェンタニル関連物質の製造・密輸犯罪案件は見つかっていない。
国家禁毒委員会の担当責任者によると、フェンタニル関連物質犯罪事件の法律適用問題を解決するため、このほど公安部と最高人民検察院、最高人民法院(最高裁)は関連法律文書を検討・制定した。また国家禁毒委員会弁公室は、全国範囲でフェンタニル関連物質の集中一斉調査を展開するよう手配した。
国家禁毒委員会副主任で公安部テロ対策専門員の劉躍進氏は、「バイオ医薬拠点と科学工業園区の一斉捜査では、フェンタニル関連物質の重点企業と重点人員が捜査対象となり、違法にフェンタニル関連物質を製造するリスクのある場所を捜査した。公安部はインターネット上のフェンタニル関連物質に関する情報を削除するよう手配し、ネット上のフェンタニル関連物質購入・販売情報を削除し、オンラインで取引の連絡を取るルートを遮断した。国家薬品監督管理局はフェンタニル関連薬品の生産・取扱に対する検査を展開するよう手配し、合法的なフェンタニル薬品に対しても管理をさらに強化している」とした。
劉氏はさらに、「国家郵政局は『スマート宅配荷物ボックス配達サービス管理弁法』を公布し、配達企業に安全検査設備1万5千台以上を設置するよう促し、『実名による引受、引受時の検査・監視、機械による安全検査実施』の三項目の制度を厳格に実行するよう注意した。税関総署は重点通関地の輸出貨物に対する検査を強化し、重点国への輸出貨物の検査を重点的に行う」と指摘した。
国家禁毒委員会のブリーフィングによると、案件状況から見て、中米両国の麻薬取締に関する法執行部門は長年良好な協力関係を保っているものの、協力して摘発したフェンタニル関連物質案件は非常に限られている。2012年以降、米国が中国に通報したフェンタニル関連物質密輸案件の手がかりはわずか6件で、摘発できたのは3件にとどまっている。
劉氏は、「米国側が提供したデータによると、2018年10月から2019年3月までの間に、米国の税関・国境警備局はフェンタニル関連物質密輸案件を229件摘発し、フェンタニル関連物質536.8キロを押収した。そのうち中国からの案件は17件だけで、押収量も5.87キロと、それぞれ総数の7.4%、1.1%を占めるにすぎない。米国側は検査で見つかった数少ない郵便物を理由にフェンタニル関連物質は主に中国から入っているとしているが、これには根拠がなく、実際の状況と著しく異なっている」としている。(編集AK)
「人民網日本語版」2019年9月4日