資料写真、押収した麻薬をメディアに見せる広州税関の職員。
国家禁毒委員会弁公室は先ごろ記者会見を開き、「2018中国麻薬情勢報告」を発表した。同報告書は、2018年の中国の麻薬常習者数は全国人口総数の0.18%だったと指摘。また同報告書によると、メタンフェタミンが現在最も多く常習されている薬物であり、「インターネット+物流」が麻薬販売活動の主要な方法となっている。人民日報が伝えた。
同報告書によると、2018年に検挙した麻薬犯罪事件は10万9600件、逮捕した犯罪容疑者は13万7400人、押収した各種麻薬は67.9トンだった。また、取り調べをして処罰した麻薬常習者は延べ71万7千人、強制隔離して麻薬中毒を断たせた人数は延べ27万9千人、居住するコミュニティーで麻薬中毒を断ち、更生することを命じられた麻薬常習者は延べ24万2千人だった。2018年末時点で、全国の麻薬常習者は240万4千人(中毒を断ってから3年間麻薬未使用者、死亡者、中国を離れた人の数は含まれていない)で、前年同期比で5.8%減少した。麻薬常習者240万4千人のうち、メタンフェタミン常習者は135万人で、全体の56.1%を占め、メタンフェタミンがヘロインに代わって中国で常習者数が最も多い麻薬となった。同時に、大麻の常習は増加傾向が続いており、2018年末時点で全国の大麻常習者は2万4千人に上り、前年同期比で25.1%増加した。
このほか、消費者を引き付け、大衆を惑わすために、一部の麻薬販売者は絶えず新しい麻薬を打ち出し、「神仙水」や「娜塔沙」、「0号カプセル」、「ケタミン」といった新型の麻薬が絶えず出現しており、主に青少年が娯楽場所で常習している。国家麻薬実験室の検査によると、この1年間で新たに発見された新しい精神活性物質は31種類に上る。また、インターネットや物流・郵送など新業態の急速な発展にともない、「インターネット+物流」が麻薬販売活動の主要な方法となっている。
取締活動の面では、2018年、中国で検挙した国内の麻薬製造事件は412件、摘発した麻薬製造拠点は268ヶ所、押収した麻薬は14.7トンで、前年同期比でそれぞれ30.8%、15.5%、37%減少した。厳しい取締活動を引き続き展開した結果、国内の麻薬製造犯罪活動は重大な打撃を受け、従来から麻薬製造の多かった広東省では製造元が減少しており、年間で検挙した麻薬製造事件は42件、摘発した麻薬製造拠点は28ヶ所、押収した麻薬は1.65トンと、前年同期比でそれぞれ70%、56%、71%減少した。麻薬製造活動は管理規制が手薄なほかの地域へと移っており、これまであまり麻薬製造活動が見られなかった西北地区や東北地区で明らかに増加している。
しかし、「黄金の三角地帯」や「黄金の三日月地帯」、南米など国外の麻薬生産地からの中国に対する「複数生産地から流入し、全面的に浸透する」複雑な状況は依然として変わっていない。国外の麻薬販売勢力と国内の麻薬販売グループが結託して麻薬販売ネットワークを作っており、麻薬販売グループの構造はより複雑化し、麻薬販売ルートは変化し続け、麻薬販売規模は引き続き拡大し、麻薬販売手段が絶えず高度化し、現実の危機的状況と潜在的脅威はよりいっそう拡大している。(編集AK)
「人民網日本語版」2019年6月19日