中国初のクローン猫の飼い主 「クローン猫で愛猫への思いをつなぎたい」 (2)

人民網日本語版 2019年09月05日09:50

2016年10月、黄さんは温州のある猫のブリーダーから、生後2ヶ月になるグレーと白のブリティッシュショートヘアの猫を購入し、「大蒜」と名付けた。その後2年半の間、大蒜はほとんど黄さんと離れることはなかった。黄さんは大蒜に最高の輸入キャットフードと缶詰を与え、毎月大蒜にかける費用は少ない時でも700-800元、多い時には千元にもなった。「自分が使うお金の10%くらいかな」と黄さんは振り返る。

2017年初め、大学4年生だった黄さんは一人で深センへ実習に行った。にぎやかで忙しい大都市で、黄さんは思う存分打ち込めたと同時に、不安にもなった。黄さんは大蒜を連れて行き、一緒に暮らし、一緒に眠った。大蒜がそばにいるようになったことで、一人で南方にいる孤独も癒されたという。卒業後、黄さんは深センで起業。翌年温州に戻り、両親を助けて工場と店を経営するようになった。その間も、大蒜が黄さんのそばを離れることはなかった。

しかし今年1月、大蒜は病気にかかり死んでしまった。「自分の注意が行き届かなかった。とても悔やんでいる」と黄さんは小さな声で言った。黄さんは友人3人と一緒に、街中から離れた公園に穴を掘り、大蒜を埋葬した。黄さんは大蒜の墓の前に、大蒜が好きだった缶詰を埋めてやり、青々と葉を茂らせる小さな木を植えた。ほとんど毎月のように、黄さんは大蒜の墓参りに行った。

大蒜が死んでから数時間経った時、黄さんは突然、微博(ウェイボー)でクローン犬のニュースを見たことを思い出した。その日のうちに、黄さんは希諾谷のカスタマーサービスに電話をかけていた。そしてクローンの値段が思っていたより安いことを知ったのだ。黄さんは以前ネットで、韓国にクローン会社があり、クローン猫・犬は約40-50万かかることを知り、躊躇していた。それと比較すると、25万なら受け入れられる、と考えた。

黄さんが心配したのは、それまで飼っていた「大蒜」とそっくりのクローン猫が作れるか、ということだった。「違うのだとしたら、クローンには何の意味もないのではないか?外見が同じに作れたとして、性格はどうなのか?」

これについて王氏は、「クローンは植物の挿し木と似ていて、前の命の延長であり、独立した個体でもある。外見上は、もし単色であればほぼ区別はつかない。模様がある場合は、模様のある位置が少し変わるかもしれないが、相似度は極めて高い。性格については、クローンの動物には記憶がないものの、性格はほぼ遺伝子で決まっており、また後天的な環境も影響する。八割から九割がた似せることは可能だ」と述べた。

黄さんは、「長い間悩んで、細胞を保存し、2月に手付金として代金の30%にあたる約8万元を支払った。さらにしばらく考えてから、やはりクローンを作ることに決めた」と語った。

黄雨さんとクローン猫の「大蒜」(提供・取材対象者)

7月21日、代理母の猫がクローンの「大蒜」を産んだ。8月19日、黄さんは希諾谷でクローン猫の大蒜と初めて対面した。「とても感動した!スタッフに協力してもらって大蒜を抱き、なでた。下あごのところにあった黒い模様がないことを除けば、ほかはとてもよく似ている。全体としてほとんど違わない」。

その後、黄さんは大蒜のために微博のアカウントを立ち上げた。友人たちからはペットブロガーになったらどうかと言われているが、黄さんはあまり気が進まない。「それで儲けようとは思わないし、ネットの有名人にもなりたくない」と黄さんは語っている。 (編集AK)

「人民網日本語版」2019年9月5日

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