顔認証市場はなぜこれほど歓迎されるのか (2)

人民網日本語版 2019年11月21日14:00

安全性を第一にするべき

調査会社・艾媒諮詢(iiMedia Research)がこのほど発表した「2019年上半期中国モバイル決済産業研究報告」によると、19年上半期には中国のモバイル決済取引規模が166兆1千億元に達し、予想では年間の利用者は7億3300万人に達するという。

現在、支付宝と微信の顔認証決済装置の設置規模は約10万台で、これと同時に銀聯の雲閃付(クイックパス)も広州、杭州など7都市で続々と顔認証決済を実現させている。

現在、重慶市の大型スーパーには顔認証決済機能を備えたセルフレジゾーンがある。ローソンや郷村基などの店舗でも顔認証決済装置を見かける。一部の区・県では郷・鎮に向かうバスにも顔認証装置が搭載されている……顔認証決済の発展と拡大の流れを押しとどめることは不可能だが、装置の設置数をみると、全体として設置効果が十分に出ているとは言えない。消費者は顔認証決済に対しなお様子見の態度を取り、懸念する声も多く聞こえてくる。

関連技術の専門家の説明では、「指紋認証や虹彩認証に比べて、人間の顔にはプライバシーレベルが低いという生物的特徴があり、携帯電話という仲介手段がなくなったため、顔情報を『コピー』したり利用したりすることがより簡単になり、それにつれて、顔認証決済を利用する場合のリスクも高くなった」という。

中国人民銀行(中央銀行)科技司の李偉司長は、「顔認証技術は金融サービスの利便性と包摂性を高めたが、同時にプライバシー漏洩、アルゴリズムの脆弱性といった一連のリスクもそこには存在する。『データを手に入れた者が天下を取る』時代にあって、常に外部にさらされている顔だけで行える決済取引には、非常に大きなリスクが潜んでいるといえる」との見方を示した。

中国人民大学法学院の劉俊海教授は、「顔認証決済について、監督管理部門は早急に対応する法律・法規を制定し、監督管理を強化する必要がある。また企業も自らを律し、消費者の情報のセキュリティを保障し、顔認証決済の隠れたセキュリティリスクを軽減し、消費者に『安心感』を与えるべきだ」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年11月21日

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