米国のドナルド・トランプ大統領は2日にツイッターで、「ブラジルとアルゼンチンは為替操作を行い、米国の農民の利益を損なっている」と指摘し、「対抗措置として南米の両国の鉄鋼製品とアルミ製品への高額の関税を再開するつもり」と発信した。
トランプ氏は、「ブラジルとアルゼンチンはこれまでずっと自国通貨を切り下げており、米国の農民には不利だった。そこで、私は両国から米国に輸入される鉄鋼・アルミに対する関税を直ちに復活させる」と述べた。
トランプ氏は詳細を明らかにしておらず、米通商代表部(USTR)もまだコメントを出していない。
トランプ氏は昨年3月、輸入鉄鋼・アルミ製品が米国の『国家安全保障』に脅威になるとして、米国市場に流入する鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%の関税を課すと発表した。米国はその後、いくつかの国を免除の対象とし、ブラジルとアルゼンチンが含まれていた。
米国は昨年6月1日から欧州連合(EU)原産の鉄鋼・アルミ製品に追加関税を課している。EUは同月に対抗措置として、米国製品総額28億ユーロ(1ユーロは約120.2円)相当分に追加関税を課すことを決定。双方の貿易交渉は行き詰まっている。
米国は昨年、インド原産の鉄鋼・アルミ製品にも追加関税を課し、今年6月にはインドを一般特恵関税制度(GSP)の対象から除外した。インドは同月にアーモンド、豆類、クルミを含む米国からの輸入品28品目に対する追加関税を発動した。
またトランプ氏は2日、米連邦準備制度理事会(FRB)に対しフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を引き下げるとともに、金融緩和策を実施して、他国が通貨切り下げによって経済的利益を得られないようにするよう求めた。トランプ氏はツイッターで、「FRBは同様の措置を取って、こうした国々がこれ以上強い米ドルを利用できないようにするべきだ」と発信した。
トランプ氏はこれまでもたびたびFRBに利下げを迫り、理由として欧州の多くの国やその他のいくつかの国のマイナス金利がこうした国々に競争上の優位性を与えていることを挙げていた。しかしFRBは利下げに踏み切る姿勢はみせていない。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年12月4日