中国数値タンクバーチャルテストシステムV1.0が発表

人民網日本語版 2019年12月05日13:53

上海で開催中の中国数値タンクバーチャルテストシステム応用シンポジウムで、中国数値タンクバーチャルテストシステムV1.0が発表された。同システム開発の責任者を務める哈爾浜(ハルピン)工程大学の夏桂華教授は取材に対して、「これは、当チームが独自の知的財産権を有する船舶業界の重要なソフトウェアプラットフォームだ。中国の船舶に中国が開発したソフトウェアを使うという夢が実現した。これは、中国が造船強国になるために絶対にたどるべき道だ」と、このソフトウェアプラットフォームの重要な意義を語った。科技日報が伝えた。

夏教授によると、中国数値タンクバーチャルテストシステムには、 ▽船舶凌波性バーチャルテストサブシステム▽船舶スピード・レジスタンスバーチャルテストサブシステム▽船舶操縦性バーチャルテストサブシステム▽スクリューキャビティ加振力バーチャルテストサブシステム▽海洋プラットフォーム運動・過重バーチャルテストサブシステム▽渦励振動/渦励運動バーチャルテストサブシステム▽海洋環境フローフィールドバーチャルテストサブシステム―の7つのバーチャルテストサブシステムが搭載されており、24種類のバーチャルテストを展開できる。これにより、同システムの研究開発は全て完了し、24のサブシステムが全て完成した。

フィジカルタンクによる実験には、広い場所が必要でコストも高いため、今回開発された数値タンクを使えば、それらの問題を解決できる。同タンクは、最先端の水力学理論モデルや数値計算方式を利用したシステム化編集された高効率のコンピューターソフトウェアを搭載しており、世界の業界のユーザーは、さまざまな海洋環境において、船舶や海洋構造物に対する流体動力の影響に関するバーチャルテストを実施でき、船舶や海洋エンジニアリングの分野の研究、設計、応用のニーズを満たしている。

同システムは、哈爾浜工程大学と中船集団702所が筆頭となり、中船集団708所、上海船舶運輸科学研究所、大連理工大学、上海交通大学、中国船級協会などが共同で研究開発した。

同システムは、オンラインクラウドサービスやシングルマシン版の形式を通して、業界に24種類の船舶・海洋プラットフォームの主要な流体動力性能のバーチャルテストができるようサービスを提供するほか、船舶・海洋プラットフォームの設計性能の評価を行うこともできる。中国数値タンクバーチャルテストシステムの計算精度や計算效率は、世界で主流のビジネス版ソフトウェアとほぼ肩を並べており、船舶造波抵抗バーチャルテストなど一部のバーチャルテストは、世界の先進水準に達している。

現在、中国数値タンクバーチャルテストシステムは、コンテナ船、ばら積み貨物船、石油タンカー、半潜水型海洋装置の国際基準、60以上のサンプルフィジカルタンク試験データの検証をクリアし、中国とフランスの船級協会の認証を取得している。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年12月5日

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