中国は2030年にアジア経済への影響力で米国を超えるか

人民網日本語版 2019年12月05日10:14

これまで長い間、アジアに対する米国の影響力は、「米国がくしゃみをすれば、アジア全体が肺炎になる」などと形容されるほどのものだった。しかし今、そのような状況が変わりつつある。中国新聞社が伝えた。

「日本経済新聞」の報道によれば、「米国依存だったアジアの経済構造が大きな転換期を迎えている。2030年ごろには、中国のアジア諸国(日本を含む)に及ぼす経済波及効果が米国を圧倒し、域内経済の『中国化』が加速しそうだ」という。

この結論は日本経済研究センターの田原健吾主任研究員が経済協力開発機構(OECD)の国際産業関連統計を用いて試算して得られたもので、「30年に中国の東南アジアや日本への経済波及効果は…(中略)…米国より4割も大きくなる」と指摘した。

商務部(省)国際貿易経済協力研究院地域経済協力研究センターの張建平センター長は取材に答える中で、「これからは中国がくしゃみをすれば、アジアが風邪をひくことになる」と述べた。

中国はどのようにアジア経済に影響力を及ぼすか?

アジア経済に対する中国の影響力は日増しに高まっており、そのことは金融危機発生後に目に見えるようになった。

「日経新聞」によれば、「戦後(第二次世界大戦後)、アジア諸国にとっては世界最大の消費地である米国が、長らく輸出先のトップに君臨してきた。ところが、東南アジア諸国連合(ASEAN)からの中国向け輸出額はリーマン・ショック後の10年間で米国向けを逆転した」という。

その一方で、「日本をみると、17年11月の時点で対中輸出が累計で13兆3800億円と、これまでのピークだった14年の実績を上回り、最高を更新した」。

「日経新聞」のさきの報道によると、日本の対中輸出には14年7-8月期から約3年ぶりに、2ヶ月連続で米国を上回る状況が出現した。「こうした逆転現象は米中ともに経済が堅調な状態で起きており、日本の輸出で中国の存在感がより大きくなっていることを浮き彫りにしている」という。

消費と投資でも中国の動きがことのほか目を引く。田原氏の試算では、30年に中国の消費や投資(いわゆる最終需要)がそれぞれ1%増えた場合、輸出などを通じたASEAN主要5ヶ国(ASEAN5)の実質国内総生産(GDP)に対する押し上げ効果は33億ドル(1ドルは約15.3円)に達する。30年時点で米国の押し上げ効果は中国の3分の2弱の19億ドルにとどまるという。

指摘しておかなければならないのは、「日経新聞」が指摘するように、「日本では15年時点ですでに中国の波及効果が米国を若干上回っている」ことだ。30年にはこの開きがさらに拡大し、「中国の日本への波及効果は需要1%あたり46億ドルと15年比で6割増える」という。

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