日本の推理文学が中国の若者に人気

人民網日本語版 2019年12月18日13:26

広東省広州市で行われた日本の推理小説をテーマにした読書会には多くの若い読者が参加した。新華網が伝えた。

「春期限定いちごタルト事件」や「夏期限定トロピカルパフェ事件」、「秋期限定栗きんとん事件(上)(下)」など、日本の小説家・米澤穂信の魅力的なグルメがタイトルにつけられた「小市民」シリーズ作品が今年9月に中国で出版され、多くの推理小説ファンから好評を博している。

14日、広州市のある書店で、「春期限定いちごタルト事件」と「夏期限定トロピカルパフェ事件」の訳者である王蘭氏が翻訳する過程で自身が得た気づきや思いを共有した。王蘭氏は、「翻訳する前に作品を読んでいなかったので、翻訳しながら読むという感じだった。その過程で作者と読者との知恵比べを体感することができ、ラストは思いがけない結末だった」と語った。王蘭氏はさらに、「米澤穂信は、推理小説の中に壮大な物語を構築するのではなく、ささやかな出来事や細かな部分を通して日常の生活を表現し、普通の人々を描いている。彼の小説を読むと、まるで作品の中に自分を見つけたような気分になる。現在、多くの読者が日本文学を好む理由の一つは、作品に共感できるからだ」と語った。

このシリーズ作品は広州天聞角川動漫有限公司から発売された。ブランドマネージャーの王芳氏は、「これまで中国国内では『小市民』シリーズ作品の中国語簡体字版は出版されていなかった。米澤穂信の作品では、『氷菓』や『真実の10メートル手前』などの小説がすでに国内で多くのファンをつかんでいる。そのためこのシリーズも売れるに違いないと考えた」と語った。

米澤穂信の「真実の10メートル手前」と東野圭吾「パラドックス13」を翻訳した林青華氏は、「慌ただしさのなかで、私たちは生活の中の細かな部分を見過ごしがちだ。しかし、多くの日本文学作品はそうしたあまり注目されない細かな部分の面白さに気づかせてくれる」と語る。

近年、日本の推理小説は中国の読者から人気を博し、松本清張や東野圭吾、米澤穂信など日本の推理小説家の作品が中国でヒットし、特に若い読者の間で人気となっている。「中国の若者の多くはアニメの『コナン』を見たことがあり、東野圭吾の本も読んでいる。日本の推理作品は人々の生活に多くの楽しさをもたらしてくれる」と林青華氏は言う。

読者の陶陶さんは、「私は『氷菓』のアニメを見てから米澤穂信に注目し始めた。米澤穂信が描いた日常的な内容は読者を引き込み、もっと先を読みたいと思わせる」と語る。「小市民」シリーズを読み終えた陶陶さんは、シャルロットケーキが一体どんな味なのか知りたくなり、日本を訪れて食べてみたいと思っているという。(編集AK)

「人民網日本語版」2019年12月18日 

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