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ノーベル文学賞候補となっている湖南省出身の女性作家・残雪とは?

人民網日本語版 2019年10月09日09:37
ノーベル文学賞候補となっている湖南省出身の女性作家・残雪とは?

2019年ノーベル文学賞がスウェーデン現地時間の10月10日午後1時に発表される。昨年は、ノーベル文学賞の選考機関であるスウェーデン・アカデミーの会員の夫が複数の女性に性的暴行を加えていたとの疑惑が報道されたほか、当該人物が受賞者の名前を事前に漏洩していた事実も判明し、同賞の選考を見送った。そのため、今回は昨年の受賞者と今年の受賞者が同時に発表されることになっており、今年のノーベル賞の最大の見どころとなっている。

今月6日の時点で、英国のブックメーカー(賭け屋)NicerOddsが公開した今年のノーベル文学賞のオッズには、中国から残雪、余華、楊錬などが入っており、うち残雪は4番人気となっている。一番人気はカナダのアン・カーソンで、2位は昨年限りの代替賞「ニュー・アカデミー文学賞」を受賞したマリーズ・コンデだ。有力候補として毎年取りざたされている村上春樹も4番人気となっている。

残雪の本名は鄧小華。1953年に、湖南省長沙市で生まれ、70年からある工場に勤務。医療衛生業務に携わったり、裁縫の店を営んだりした経験もある。1985年に初めて文学作品を発表し、「新実験文学」というジャンルの文学作品を合わせて700万字以上著作してきた。

残雪は現在、中国で最もパイオニア精神を持ち、独創的な作風が際立つ作家と言える。米国や日本の文学界でも、彼女は「20世紀中期以降、中国文学で最も創造性に富んだ作家の一人」と称されている。米国の作家・スーザンソンタグは、「もし、中国でナンバーワンの作家を選ぶとしたら、私は迷うことなく残雪を選ぶ。中国で彼女の名前を聞いたことがある人は1万人に1人くらいだろうけど」と語ったことがある。

日本の河出書房新社、文藝春秋、米国のノースウェスタン大学出版社、ハルト出版社、イタリアのセオリア出版社、フランスのガリマール出版社、ドイツのルール大学出版社、湖南文芸出版社など、著名な出版社10社以上が残雪の作品を出版してきた 。

残雪は、中国国外で翻訳され出版された作品が最も多い中国人女性作家で、その小説は米国のハーバード大学、コーネル大学、コロンビア大学、東京中央大学、国学院大学などの文学教材になっているほか、米国や日本などで何度も世界の優秀な小説に選ばれている。 2015年、その長編小説「最後の恋人」(英文版)がブックエキスポ・アメリカの最優秀翻訳文学賞を受賞した。

代表的な作品には、「山上的小屋」、「蒼老たる浮雲」、「突囲表演」、「黄泥街」などがある。 最新作は「赤脚医生」となっている。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年10月9日

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