赤外線センサーカメラで撮影された映像 (画像提供・四川臥竜国家級自然保護区管理局)。
四川省臥竜国家級自然保護区管理局はこのほど、最新の野外モニタリング映像を公開した。この映像には、ツキノワグマが授乳している様子が映っていた。ツキノワグマの授乳の様子が撮影されたのは今回が初めてとなる。中国新聞網が伝えた。
赤外線センサーカメラで撮影された映像 (画像提供・四川臥竜国家級自然保護区管理局)。
保護区にある牛頭山の標高2100メートルほどの場所に設置された1台の赤外線センサーカメラには、計20枚の画像と10本の動画が記録されており、これまでに撮影されたことがなかったツキノワグマの母親の授乳、母グマが子グマの世話をする様子、子グマの木登りなどの生態行動が映っていた。この映像は、今年9月のある日の午後に撮影されたもので、全過程を通してほのぼのとした温かい雰囲気に包まれていた。
赤外線センサーカメラで撮影された映像 (画像提供・四川臥竜国家級自然保護区管理局)。
臥竜保護区木江坪保護ステーションの施小剛所長は、「この母グマと子グマ2頭の健康状態は非常に良好のようだ。このツキノワグマの木の幹の匂いを嗅ぐ行動から、他の野生動物がこの木にマーキングしたため、ツキノワグマがそれに興味を示したと推測できる」と説明した。
北京大学生命科学学院の李晟研究員は、「ツキノワグマは、中国に広く分布しているクマ科の動物で、環境適応力が極めて高い。一般的に、母グマは冬季の冬眠時に、木のうろや洞穴で平均2~4頭の子グマを出産する。今回撮影された2頭の子グマは、昨年の冬に産まれたとみられる。子グマたちは今、母親の後について自然環境を認識し、生存のための様々な技能を身につけている最中だ。あと半年から1年すれば、2頭は母グマのもとを巣立ち、独立するだろう」と説明した。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年12月24日