建築物の外壁の断熱材は、保温できる一方で耐火性を持たない。断熱材からの発火または断熱材によって広がる火災が毎年発生している中で、断熱でき耐火性も持つ材料はあるのだろうか。中国科学院重慶グリーンスマート技術研究院(以下「同研究院」)は6日、独自開発したグリーンな新型建材「セラミックフォーム」を発表した。断熱性・耐湿性・防音性・耐火性を持ち、1000度の高温でも変形しない。科技日報が伝えた。
プロジェクトチームの責任者、同研究院研究員の崔月華氏は、彼らが研究開発したセラミックフォームを見せてくれた。溶岩に似ており、表面がざらざらしているが、重さ的には軽い。1立方センチメートルあたり0.2グラムに過ぎず、水に浮く。アルコールランプの摂氏500度の火をあてても発火せず、その裏側の温度は摂氏40−50度にとどまる。
「我々が研究開発したセラミックフォームの焙焼温度は800度にのぼり、製品は1000度の高温に耐えられる」。崔氏によると、建築業で広く使用されている断熱材の原材料はセラミック粘土やスラグなどで、割安だが断熱効果を持つ。しかしその中には大量の有機材料が含まれるため、防火できない。彼らは5年前から研究を開始し、製法の中に有機・無機発砲工法とプロセスを加えた。セラミックフォームには軽量化や防湿性・断熱性を持たせ、また高温焼成により高温への耐熱性も備わり、1000度の高温環境でも発火・変形せず、中国内外のセラミックフォームの高温変形温度を大きく上回り、安全性をさらに高めた。
一方で、産業化を実現するため、技術の研究開発により当初の1300度という焙焼温度を800度に引き下げた。高温焙焼における空気中の窒素酸化の過程をなくし、生産過程における窒素酸化物排出に伴う酸性雨による環境汚染問題を回避するとともに、生産コストを3分の1カットし、海外製品の独占を打破した。
崔氏によると、この成果はセラミックフォームの成分を調節することで、過酷な環境に適応できる。例えば火力発電所の脱硫タワーの中で大量に生じる稀硫酸や急激な温度差などだ。密度が低く長期的に水面に浮くことができるため、救命道具もしくは海上養殖・栽培などに使用できる。さらに中国が将来的に建設する建築物の、断熱性・耐火性・防音性を持つ優良材料にもなる。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年1月8日