有利な資金調達の条件、中米関係の緊張といった要因の後押しを受けて、日本企業が昨年に実現した合併買収(M&A)の取引総額が2年連続で中国企業を上回り、アジアでトップに立った。ブルームバーグ通信が5日に伝えたところでは、日本企業は2019年に2千億ドル(1ドルは約108.5円)を超える日本国内外でのM&A取引総額を達成し、日本のビジネス地図を塗り替えた。報道によると、日本国内の人口減少といった要因が日本企業に海外でのM&Aをより大規模に行わせており、この流れは20年いっぱい続く見込みという。「環球時報」が伝えた。
報道の分析では、日本国内市場の縮小にともない、最近は海外市場への浸透を後押しするということが日本企業がM&Aを行う場合の最大の推進力になっているという。ブルームバーグ通信がまとめた日本企業の昨年の2千億ドルを超える国内外でのM&A取引のうち、海外M&Aは1120億ドルに迫った。19年初め、武田薬品工業が欧州の製薬大手シャイアーを約6・8兆円で買収し、日本企業の海外M&A取引額の最高を更新した。 業界ウォッチャーは、「保険、医療、科学技術、消費の各業界が、日本企業が20年にM&Aを活発に行う分野になり、米国が引き続き最も主要な注目エリアになる。中米貿易関係の緊張により中国資本企業とのM&A競争が減少したことも、日本企業にとってはチャンスだ」と述べた。
18年の日本企業のM&A取引額は19年よりも多い3580億ドルだった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の別所賢作アナリストは、「日本国内のますます上昇する平均年齢と低水準が続く出生率に直面して、日本の大企業は海外で若くて発展のポテンシャルに満ちたエコノミーを見つけて事業展開をはかろうと常に考えている。また日本企業の供給チェーン、主要顧客、競争相手もその多くが海外にいる。さらに日本政府が日本企業の外資導入標準を徐々に緩和したこともM&Aの増加に一役買っている」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年1月7日