貿易摩擦や世界経済の低迷などさまざまな挑戦にぶつかってきたにもかかわらず、2019年の中国の対外貿易は大きな成果を上げ、円満な一年の終わりを迎えた。総額は30兆元(1元は約15.5円)に達し、輸出増加率は他の主要エコノミーを上回り、輸出の国際市場シェアは低下するどころか上昇したとみられる。中国新聞社が伝えた。
規模が拡大しただけでなく、中国の貿易の構造と質も目に見えて向上し、たとえば新興市場との輸出入が占める割合が上昇し、高品質・高技術・高付加価値の製品の輸出が急速に増加した。商務部(省)によれば、19年初めに打ち出した「対外貿易の安定の中での質向上」の任務はすでに達成されたという。
アナリストは、「一連のプラス要因に基づき、中国対外貿易の良好な発展状況は20年も続くことが期待される」との見方を示した。
プラス要因1:グローバル経済・貿易は「不運極まって好運来る」可能性
国際通貨基金(IMF)は、19年の世界経済成長率は3%にとどまり、20年は3.4%に達すると予測する。世界貿易機関(WTO)の予測では、20年には世界の物品貿易の成長率が0.3ポイント鈍化して2.7%になる可能性があるとするが、19年の予測値の1.2%よりは明らかに高い数字だ。
国家発展改革委員会対外経済研究所総合研究室の楊長湧副室長は取材に答える中で、「主要エコノミーが反循環的調整を強化し、中米が第1段階の貿易合意の文書をめぐって一致したなどのプラス要因を踏まえると、20年の世界経済はかなりの確率で19年のペースを維持するか、やや好転するとみられる」と述べた。
興業銀行の魯政委チーフエコノミストは、「グローバル経済の好転は対外需要の安定にプラスになり、20年の中国の輸出は安定するものと期待される」と述べた。