新型コロナウイルスのヒトからヒトへの感染示す明確な証拠は現時点では無し

湖北省の武漢市衛生健康委員会は15日、公式サイトで、新型コロナウイルス感染症に関する質問への回答を発表した。武漢市衛生健康委員会によると、現時点における調査の結果、ヒトからヒトへの感染を明確に示す証拠はないものの、限定的なヒトからヒトへの感染の可能性を排除できないとしている。人民網が報じた。

1. 武漢からタイに訪れた旅行客が新型コロナウイルスによる肺炎に感染していたと診断されたが、詳しい状況は？

今月13日、タイで、当市から訪れた中国人旅行客が、新型コロナウイルスによる肺炎に感染していたことが確認されたと報道された。同患者は武漢市市民で、現在タイで治療を受けており、病状は安定している。

2. 最も早くに新型コロナウイルスによる肺炎に感染と確認された患者に対して武漢市が行った対策とは？

新型肺炎が発生して以来、当市は直ちに市全域の全ての医療機構で関連の病状のチェックを行っている。今月10日の時点で、新型コロナウイルスによる肺炎に感染したと確認された患者は41人。当市は現在、患者のモニタリングと捜索業務をさらに強化している。

3.現時点でのヒトからヒトへの感染例は？

現時点で、ヒトからヒトへの感染を明確に示す証拠はないものの、限定的なヒトからヒトへの感染可能性は排除できない。ただし、持続的なヒトからヒトへの感染リスクは低い。

4.複数の感染者が確認された家庭は？

感染が確認されている41人のうち、複数の感染者が確認された家庭が1世帯ある。夫婦の感染で、華南海鮮卸売市場で働いている夫が先に発病した。妻は同市場には立ち寄っていないとしている。

5.濃厚接触者とは？濃厚接触者を14日間医学的観察下に置く理由は？濃厚接触者が観察期間中に発病した場合、どのような追跡調査と診断、治療をしているのか？

今回の新型肺炎の濃厚接触者の定義は、患者と一緒に仕事をしている、同じ部屋で仕事または勉強をしている、同じ部屋に住んでいる人を指す。また、診察・治療の際に、有效な予防・保護対策を講じていない医療スタッフ、付き添い者、有效な予防・保護対策を講じていない実験室の検査スタッフ、同じ病室の他の患者とその付き添い者、患者と同じ乗り物に乗り、至近距離で接触した人、専門家が必要と判定した他の接触者らも含む。

他のコロナウイルスの潜伏期間や今回の新型コロナウイルス感染の患者の関連の情報、現時点での予防・抑制の実際の必要などを考慮して、濃厚接触者を14日間、自宅待機で医学的観察下に置いている。観察期間中に、濃厚接触者に発熱や咳などの異常が発生した場合、直ちに指定の医療機構へ移し、追跡調査や診断、治療を行う。

6.現時点で感染の症状にはどんな特徴が？症状はどのように進行しているのか？

感染が確認された41人は、男性、中・高齢者が多い。初期症状は、発熱や咳などが中心でそうした軽めの症状が続く。ただ高齢者や持病のある人ほど、重症化しやすい。

現有の病因学研究や疫学調査の現時点での結果は、ほとんどの患者は華南海鮮卸売市場に行ったことと関係があることを示している。華南海鮮卸売市場に立ち寄ったことを否定している患者も少数ながらおり、類似の症状を示した患者に接触した患者もいる。コミュニティでの伝播は確認されていない。

7.華南海鮮卸売市場閉鎖後、市場内で新たな発見は？他の市場ではどんな対策を？

華南海鮮卸売市場閉鎖後、当市は市場の環境衛生学的処置を強化し、市場の消毒、ゴミの撤去、消毒を実施している。そして、市場内で、環境サンプルを採取して検査を行っている。現時点での一部のサンプルの新型コロナウイルスの検査結果は陽性だった。また、他の市場でも初期段階の調査を行っているものの、感染源に関する手がかりは見つかっていない。（編集KN）

「人民網日本語版」2020年1月16日