湖北省人民政府台湾事務弁公室によると、台湾地区の15歳の少年の命を救うために、湖北省、河南省、台湾地区がこのほど、「愛のタスキ」をつなぐリレーを展開した。中国新聞網が報じた。
1月19日、台湾地区に住む小宇さん(15)は、母親の馬先玲さんと共に、湖北省荊門市の親戚を訪問し、2月11日に長沙から高雄に向かう飛行機に乗って帰る予定だった。ところが、新型コロナウイルス感染が拡大し、閉鎖する街も続出し、台湾地区に向かう飛行機も運休となってしまった。
女性は小宇さんの母親・馬先玲さん。左は荊門市台湾系企業協会の簡俊男会長(画像は湖北省台湾事務弁公室が提供)。
小宇さんは血友病を患っているため、定期的に注射をしなければならない。しかし、注射は3本しか持ってきておらず、今月10日に最後の1本を使い終わってしまう。湖北省の病院の専門家によると、その薬剤は台湾地区で使われている新薬で、中国大陸部の市場ではまだ手に入らない。現地の病院にも凝固因子製剤はあるものの、普段と違う薬を使うと、拒絶反応が起きる可能性があるという。
そこで、馬さんは、荊門市台湾事務弁公室に助けを求めた。そして、同弁公室から報告を受けた湖北省人民政府台湾事務弁公室は今月5日に、馬さんら親子が春節チャーター便で台湾地区に戻れるよう手配したものの、チャーター便は現在もまだ実現していない。
河南省台湾事務弁公室の職員から注射を受け取った荊門市台湾系企業協会の簡俊男会長(左、画像は湖北省台湾事務弁公室が提供)。
そんな中、まだ幼い小宇さんの命を救おうと、各方面が「愛のタスキ」をつなぐリレーをスタートさせた。まず、荊門市台湾事務弁公室はすぐに、荊門市台湾系企業協会の簡俊男会長と連絡を取り、彼の台湾の友人に頼んで注射を台湾桃園空港まで送ってもらい、9日に河南省鄭州に飛ぶ便で届けてもらえるよう依頼した。
9日午後、AE993便が鄭州空港に到着。河南省台湾事務弁公室は注射を河南省と湖北省の境界まで届け、10日早朝に、荊門市台湾事務弁公室と台湾系企業協会がそれを小宇さんの元まで届けた。(編集KN)
注射を受け取った荊門市台湾系企業協会の簡俊男会長(画像は湖北省台湾事務弁公室が提供)。
「人民網日本語版」2020年2月10日