アジア太平洋に照準 長期的な戦略
ラーブ外相は日本訪問に先立ち、2月6日にオーストラリアを訪問し、EU離脱後の英国外相の初の海外公式訪問ともなった。ロシアの通信社スプートニクの報道によれば、英国はオーストラリアとのFTAの早期締結に向けて動いているという。英外務省は、ラーブ大臣がその後、シンガポールとマレーシアも訪問する予定だという。
董氏は、「英国がアジア太平洋市場に照準を合わせるのは長期的な戦略だ。アジア太平洋地域は今の世界で最も活発なエコノミーの1つであり、アジア太平洋での発展チャンスを求めるのがボリス・ジョンソン首相の打ち出した『グローバル・ブリテン』戦略の重要な一環だ。しかし英国が短期間で進展を遂げることは難しい。英国の最大の貿易パートナーはやはりEUだ。それに比べて、アジア太平洋との貿易交渉は当面の急務ではない」との見方を示した。
英BBCが引用した分析によると、「英国にとって、当面の急務はEUとの貿易協定についての交渉だ。これこそが過渡期の重点になるからだ」という。ドイツのベレンベルク銀行のチーフエコノミストのカラム・ピカリング氏は、「英国とEUの交渉は非常に挑戦的なものになる。英国の外交のエネルギーをかなり消耗させることになるだろう」との見方を示した。
董氏は、「英国はこれから1年間はアジア太平洋での交渉に精力を傾けることが難しい。英日FTAは政治的な意味が経済的な意味よりも大きい。英日FTAは英国の自信を高めるというところにより大きな価値があるといえる」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年2月14日