熱いムードと細やかな保障態勢が、これまでずっと東京マラソンの特色だった。感染症の影響を受けた今年も、この特色が失われることはなかった。
「東京マラソンの指揮センターには元々、競技の総合的な調整と安全・緊急対応を保障するために90人ほどの運営スタッフが配置されていたが、感染リスクを減らすため、40人ほどに削減された」。
このように話すのは、日本企業以外で初めて東京マラソンの指揮センターに入った中国のハイテク企業・第一反応の創業者の陸楽氏だ。「マラソン参加者の人数が減ったために、運営スタッフが削減され、全体のスタッフ、医療サポートスタッフ、ボランティアも減少した。弊社は最初はセンターにスタッフ6人を派遣する計画だったが、最終的にうちからは誰も行かないことになった」という。
第一反応は2013年から東京マラソンに無償で関連サービスを提供してきた。スマートヘルメットや救急医療指揮システムの開発が進むのにともなって、昨年からは正式に契約を結び、日本の救援救護チームに代わって、東京マラソンで安全保障サービスを提供することになった。
陸氏の説明によると、「中日両国はともに感染症の影響を受けており、第一反応のチームは今回、独自の技術を採用した。上海のモバイル『遠隔指揮センター』と東京の救護本部を全プロセスにわたって連動させた。これまで東京マラソンには救護車両が30台用意されていたが、今回は8台に削減され、これまで設置されていた医療ステーションは、最終的に大型2ヶ所とごく小さなものが数ヶ所設置されるだけになった。弊社の元々の計画では救護スタッフは200人を超えていたが、第一線のスタッフ24人だけになり、それも全員が日本側のスタッフになった」という。
今のような特殊な時期にあって、中国企業と日本のイベント主宰者が連携して、東京マラソンの安全とサービスを細かな点まで保証し、さらには喜ばしい成績まで誕生した。これは感染症の中の1つの縮図であり、災難を目の前にして、スポーツの精神的なパワー、そして相互に助け合い支援し合おうとする信念に、国境はないということを改めて示したといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年3月2日