最近、「家にこもる」生活を送る人が多くなり、「おうち経済」に関わる産業の急速な発展が間接的に後押しされ、家電産業もその中の一つだ。専門家は、「家にこもっている間も、暮らしのニーズがなくなるわけではなく、レストラン、トレーニングジム、映画館、カラオケなどがどんどん家の中に入り込み、新たな消費シーンが生まれ、新たな消費ニーズが喚起された」と分析した。
中国国際貿易促進委員会研究院国際貿易研究部の趙萍部長は取材に対し、「最近の消費の最大の特徴はなんと言っても『おうち経済』関連の消費が目に見えて伸びたことだ。家電業界がもつ特徴と新型コロナウイルス対策期間中の消費ニーズがぴたりと一致した。家電は家での暮らしを支える重要な媒体だ。従来の大型家電も新興の小型家電も、家での暮らしに文化・娯楽に関連する活動を提供できるため、新型コロナ対策期間中の『家にこもる』生活に欠かせないツールになった」との分析を述べた。
中国家用電器協会の関係責任者は取材に対し、「感染症の影響により、消費者は長い時間に家の中にとどまるようになり、消費者と家電製品が関わる頻度が大いに高まり、このため買い換えニーズが増大し、調理をサポートする新感覚のキッチン小型家電と家事から解放してくれる製品へのニーズがかき立てられた。スチームオーブンレンジ、食洗機、スチームクリーナーなどだ。また消費者の健康意識が目に見えて高まり、『健康的、クリーン』などを特徴とした家電製品が最近はより一層注目されている。たとえば消毒キャビネット、食洗機、空気浄化装置、浄水器、健康に配慮した洗濯・乾燥機能を備えた洗濯機などがある」と述べた。
オンライン購入ルートがスムーズになったことが、家電消費をより便利にした。一方で、大型家電も小型家電も、ECプラットフォームで大量に販売されるようになった。データをみると、2019年の中国家電小売ルートはオンラインとオフラインの融合の流れが目立ち、通年ではオンライン売上高が3668億元(1元は約15.3円)に上って前年比11.6%増加し、オンライン売上高が家電市場の小売額に占める割合は41.17%に達した。特に新型で用途が細分化された小型家電は、主にオンラインで広がり、新型コロナ対策期間中にはネットの人気者がライブコマースで紹介し、消費者は家の中にいながらじっくり選んで買い物ができるようになった。また一方で、大都市では宅配便が完全に業務を停止するということがなく、2月中旬には全面的に業務を再開したため、商品が消費者の手元にスピーディに届くようになった。
供給サイドからみると、ここ数年、産業と消費がどちらも高度化する流れの中、家電メーカーはミキサー、コーヒーメーカー、薬膳マルチポット、多機能調理器など、数多くの新型の小型家電を開発してきた。小型家電市場は可能性が大きく、商品の種類は豊富で、価格は低く、設置が不要で、拡大発展の時期を迎えている。最近は多くの人が家にこもる中でこうした新しい商品の存在を知るようになり、供給と需要がマッチするタイミングが訪れた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年3月18日