中国自動車工業協会が11日に発表したデータによると、中国の自動車販売量は新型コロナウイルスの影響で低迷した後、2020年4月には207万台に達して、前月比43.5%増加し、前年同期比4.4%増加し、中国自動車市場の18年7月以来21ヶ月続いた減少傾向に終止符を打った。中国の自動車消費は回復したのだろうか。中国新聞社が伝えた。
全国乗用車市場情報連席会(CPCA)が同日発表した4月の自動車販売データによれば、同月の自動車小売販売量は142万9千台で、前月比36.6%増加し、前年同期比は5.6%減少したが、今年最も好調な月になったことが注目される。2組のデータのどちらが正確なのか。
国務院発展研究センター市場経済研究所の王青副所長は取材に答える中で、「2組のデータの統計指標は異なり、CPCAの統計は最終小売販売量について、自動車工業協会の統計は卸売量についてのもので、両データとも流通在庫には触れていない。また自動車工業協会は最も権威ある業界団体であり、分析の際に通常は同協会のデータを使用することが多い」と述べた。
王氏は続けて、「自動車産業の分析では流れを見なければならない。2-3月に比べて、販売量の前年同期比増加率は急速に回復している」と述べた。
方正証券の胡国鵬チーフ戦略アナリストは、「4月の自動車販売データは3月に比べてかなりよくなった。5-6月は引き続きプラス増加を達成する見込みで、段階的な回復がすでにやって来ている」と述べた。
胡氏によると、「中国の企業活動の再開にともない、国民の収入への期待が高まり、金融の流動性も好転傾向をみせる。また今は国が自動車消費を積極的に促進し、地方政府も補助金、ローンの優遇、買い換え促進など自動車消費を喚起するさまざまな政策を打ち出し、こうした財政支援策が自動車消費の回復を着実に促進した」という。
2月以降、感染症対策の必要から、多くの人々は外出や買い物を控え、これまで押さえつけられてきた購買意欲が中国国内で感染症が抑制されると一気に吹き出してきた。また調査会社イプソスがまとめた統計では、感染症前は公共交通機関が主な移動手段だったが、感染症の後は自家用車のニーズが66%に高まり、その一方で公共交通機関・地下鉄のニーズは24%にとどまった。こうした心理も自動車ニーズを後押しすることになった。
具体的な車種をみると、自動車工業協会のデータでは、4月は商用車が前年同期に比べて目に見えて増加し、販売量は53万4千台で過去最高を更新し、前年同期比31.6%増加した。このうちトラックがバスより好調で、増加率は30%を超えた。乗用車はやや不調で、4月の販売量は153万6千台で同2.6%減少した。このうちスポーツ用多目的車(SUV)は生産量も販売量も小幅に増加し、その他の乗用車3大車種(小型車、多目的乗用車<MPV>、クロスオーバーSUV<CUV>)は生産・販売の減少幅が前月より縮小した。新エネルギー車の4月の販売量の前年同期比減少幅は3月より縮小し、販売量は7万2千台で前月比9.7%増加し、前年同期比26.5%減少した。