塩分が高く柔らかな浜辺には以前、何を植えても育たなかったが、今や緑色の野菜が生えている。三沙市永興島の浜辺で5月下旬、海軍西沙諸島某水警区の将兵が栽培する「砂浜を畑に」試験田が豊作を迎えた。パクチョイ、チンゲンサイ、ミニ白菜、シュンギク、レタスなど、野菜が活き活きとし水も滴るほどだ。収穫に訪れた宋智楽軍曹は、「野菜を7種も栽培できたとは画期的だ」と喜んだ。解放軍報が伝えた。
西沙諸島の島嶼は塩分・湿度・気温が高く、島を守る兵士は野菜不足の難題に悩まされていた。長期間にわたり新鮮な野菜が食べられず、将兵は栄養不足で口内炎などになりやすかった。
科学技術部(省)は2007年に、西沙諸島・永興島に島の野菜生産技術モデル拠点を設立した。その後さらに琛航島などの島で、台風、日差し、豪雨、腐食に強いハウスを作った。永興島で2014年にスマート霧化栽培技術が導入されると、島嶼の野菜生産量が目に見えて増加した。
砂漠の砂と異なり、西沙諸島の島嶼の砂は粒が大きめで、接着性が低く、多くの塩分とアルカリ分が含まれる。科学研究チームと島の将兵は夜を日に継ぎ、4カ月以上の試験栽培を行い、浜辺を畑に変える秘訣を見つけた。
島を守る将兵は今年4月上旬、浜辺を整備し野菜栽培拠点にした。科学研究チームの指導を受け、将兵は粉状の食物繊維接着材料を砂に混ぜ、さらに水と肥料を与えた。浜辺の砂も自然の土壌と同じ生体力学の属性を獲得し、植物が成長する「肥沃な土」になった。
宋氏は、「0.5ムー(約333.3平米)の土地で750キロ以上と大きな収穫があった。西沙諸島は日当たりが良い。今回の野菜は4月のはじめに種をまいたが、1カ月余りで成熟した。今後は合理的な管理により、四季を通じ浜辺で豊作を実現する見通しだ」と興奮気味に話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年6月11日