このたびの感染症の破壊力は「世界大戦」にも引けを取らず、「反グローバリゼーション」のプロセスを加速させるとみる学者がいる。瀬口氏は、「このたびの世界的な感染症で深刻なのは『経済グローバル化への副作用』だ」として「反グローバリゼーション」の見方には賛同せず、「グローバル化が引き続きポスト感染症時代の主流だ」と述べた。
瀬口氏は、「情報の交流、人の往来、金融投資などの分野での双方向の動きがますます密接になるにつれ、多くの人がそこから利益を得て、グローバル化が大きな流れになり、誰にもこの流れを阻止することはできない。しかし人類が直面する共通の課題は今後ますます多くなり、新たな矛盾点を生み出すこともあるだろう。一部の国が引き続き『自国ファースト』を強調したり、自国の利益のためにいくつかの問題を『政治問題化』しようと画策したりするなら、時代の流れに順応することはできない」と述べた。
瀬口氏は取材に答える中で、「未来のグローバル化は国の枠を超え、全ての人類と社会の持続的な安定を重視しなければならない。この目標を実現するために、『規則』に完全に頼ることはおそらく不可能で、『道徳』にも頼ることが必要になる。その時には『仁義礼智信』という東洋思想が重要な役割を果たすだろう。これは西側の強権政治にはできないことだ。この思想は中国の古典思想を源流とし、日本で発展し継承されてきた。よって中国と日本は未来のグローバル化プロセスにおいて非常に大きな使命を共同で担うことになるだろう」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月11日