食卓の人気者になったアトランティックサーモンは、欧州北部沿海地域で捕れる重要な魚になった。非常に重要な漁業資源として、漁獲量は年々増加し、野生のアトランティックサーモンは急速に減少している。
実際、アトランティックサーモンはその習性により仲間の数を爆発的に増やすことはできない。淡水で生まれ、海に出て大きくなり、成魚になると川を遡上して故郷の淡水に戻り、産卵する。こうした習性は「回遊」と呼ばれる。
アトランティックサーモンが回遊する時の様子は驚異的だ。最初から最後まで何も食べず、体に蓄えた脂肪とタンパク質で持ちこたえる。水の流れに逆らって進む時は、60センチメートルジャンプすることもできる。
回流する中で、さまざまな動物がアトランティックサーモンを狙っており、滝登りに失敗したものを食べようとしている。
1960年代より、ノルウェーでアトランティックサーモンの人工養殖の試みが始まった。いけすでの養殖なら捕食者が近づけず、エサも十分にあるので、生産量は急速に大幅に増加した。
養殖業が発展を続けると、サーモンファミリーの新入りのパシフィックサーモンの養殖と漁獲も徐々に盛んになった。こうしたパシフィックサーモンの輸出量も急増した。これまでアトランティックサーモンが独占してきた市場を切り崩すため、ビジネスマンはパシフィックサーモンとアトランティックサーモンの見た目が似ていることを利用し、パシフィックサーモンの名前に「salmon」と入れ、人々がよく知っているサーモンでパシフィックサーモンを呼ぶようになった。
その後、かつてはサーモンの名称を独占していたアトランティックサーモンは、他のサーモンと差別化を図りブランド価値を高めるため、名前に「ノルウェー」をつけて「ノルウェーサーモン」を名乗り、由緒正しいサーモンであることを示すようになった。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月19日