上海のタンパク質施設を世界に開放、コロナタンパク質の発現プラスミドを提供

人民網日本語版 2020年06月19日10:14

中国科学院上海分院によると、中国科学院上海高等研究院の国家タンパク質科学研究(上海)施設が17日より世界に向け、新型コロナウイルスコードの全29種のタンパク質の発現プラスミドバンクを開放した。タンパク質研究資源の迅速な共有により、新型コロナの対策と研究を後押しする。科技日報が伝えた。

中国の公衆衛生事件に迅速に対応する能力を強化するため、中国科学院上海高等研究院国家タンパク質科学研究(上海)施設は中国独自のタンパク質バンクを設立した。中国科学院の饒子和院士ら科学研究者の努力により、新型コロナウイルスコードの全29種のタンパク質の発現プラスミドの構築がすべて完了した。

専門家によると、タンパク質バンク1期はタンパク質発現プラスミドバンクを中心とし、タンパク質発現プラスミドの保存・配達サービスを提供する。新型コロナウイルスのゲノムは3万塩基弱で、29種のタンパク質を転写できる。うち非構造タンパク質は16種、構造タンパク質は4種、補助タンパク質は9種。そのうち非構造タンパク質のNSP7、NSP8、NSP12はRNA依存のRNAポリメラーゼを形成し、ウイルスの複製と転写期間に重要な役割を果たす。NSP5は3Cタンパク分解酵素で、その他の大多数のNSPタンパク質を鎖状から解放する。これは新型コロナの特効薬研究の重要なターゲットとされている。4種の構造タンパク質S・E・M・Nがコロナウイルスの外層を形成し、内部のRNAを保護する。うちスパイクプロテイン(Sプロテイン)はウイルスの細胞への侵入を促す。この29種のタンパク質の研究は、病因の解析、ワクチン開発、試薬による検査、抗体及び薬品の開発にとって極めて重要だ。(編集YF)

「人民網日本語版」2020年6月19日

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