体が新型コロナウイルスの免疫力を持つかどうかが1時間で分かる。南京金斯瑞生物科技有限公司が4日明らかにしたところによると、同社とデューク-シンガポール国立大学医学部、シンガポール科学技術研究庁傘下の医療診断発展センターが、世界初の新型コロナウイルス中和抗体検査キットを共同開発した。本物のウイルスを使い実験する必要がなく、またP3レベル実験室で検査を行うこともなく、1時間で結果が出る。科技日報が伝えた。
病原微生物が侵入すると、体はそれに応じた抗体を生む。病原微生物が細胞に侵入する際には、病原体自身が発現する特定分子を細胞の受容体と結びつける必要がある。これにより細胞に感染し、さらに増殖する。中和抗体はBリンパ球が生み出す一種の抗体で、病原微生物表面の抗原と結びつくことができ、標的となる細胞の受容体への粘着を阻止し、細胞への侵入を防止する。
新型コロナウイルスに基づく中和実験は現在、活きたウイルス、細胞、熟練した操作者が必要だ。実験室の作業が複雑で、実験の感度が低く、しかも結果が出るまで2、3日かかる。それと比べるとこの検査キットは大多数の研究、または臨床実験室で1時間以内に迅速に検査を終えることができるとともに、高スループット及び全自動の検査が可能だ。
同検査キットの主要研究者で、シンガポール国立大学新型感染症重点研究プロジェクト責任者の王林発氏は「当チームが開発した検査キットは、接触者の追跡、中間宿主の特定、集団免疫、保護免疫の有効期間及び各種候補ワクチンの効果の評価に用いることができる。また生物安全防護措置が必要なく、多くの発展途上国を含む国際社会で気軽に使用できる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年6月5日
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