中国の科学研究者は単一粒子追跡技術を利用し、単一エボラウイルスが細胞に侵入する動的過程や動力学的メカニズムをリアルタイムで明らかにした。関連発見はエボラウイルスの感染メカニズムへの理解の掘り下げに対して重要な意義を持ち、ウイルス対策手段を開発するための重要な参考材料を提供した。新華社が伝えた。
エボラウイルスは人類にとって最も危険な病原体の一つだ。ウイルス感染により深刻な出血熱が発生し、致死率は90%にのぼる。中国科学院武漢ウイルス研究所の崔宗強研究員、長春工業大学の単玉萍教授、国家ナノサイエンスセンターの施興華研究員が単一エボラウイルス細胞侵入に関連する共同研究を行った。
研究者はまず糸状エボラウイルス様粒子を作り、その蛍光マーキングを行った。同粒子は野生型エボラウイルスと同じ侵入能力を持つが、内部にはウイルス核酸が含まれず複製できない。単一粒子追跡、動力学的シミュレーション、単一粒子蛍光追跡などの技術を利用し、研究者は単一エボラウイルス様粒子の細胞侵入の動的な過程を示し、その動的メカニズムを解析した。
同研究は糸状エボラウイルス様粒子が水平もしくは垂直の2つの手段により細胞に入ること、及び対応する時空、エネルギー、受容体との作用方法、侵入ルートなどの詳細なメカニズムを解明した。糸状エボラウイルス様粒子が飲作用胞のルートにより細胞に侵入することを可視化で証明した。
関連研究成果は国際的な学術誌「ACS Nano」(電子版)に掲載された。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年6月29日