日本の安倍政権による「Go toトラベル」が消費を牽引する効果は?

人民網日本語版 2020年08月03日10:51

7月に入ると、日本では新型コロナウイルス感染症の感染者が再び増加するようになった。しかしぶり返しの状況が明らかな中、日本政府は消費を喚起し、国内経済を牽引するため、7月22日から「Go toトラベルキャンペーン」と名付けた一連のキャンペーンを開始した。だが日本国民の目には、この経済喚起プランのスタートは時期尚早に映る。「文匯報」が伝えた。

感染症が発生して以来、安倍政権の感染症対策は期待された効果を上げていない。国民1人1人に10万円を支給し、1世帯に「アベノマスク」を2枚配ったが期待したほど効果はなく、そもそも「ヘリコプターでお金をばらまく」ようなやり方では消費の牽引効果はおぼつかない。政府は企業に一定額の補助金を交付したが、これも焼け石に水ほどの効果しかなく、観光、娯楽、外食などの産業は直接的な補助金政策によって利益を得られることは全くなく、多くの企業が苦境に陥った。企業をさらに支援するため、日本政府は家賃を補助せざるを得なくなった。

しかし、感染症はこれまでずっと日本政府と「かくれんぼ」をしているようだった。7月になると、日本各地でぶり返しが起こり、毎日の新たな感染者数が月初めの120人あまりから1千人超へと急増した。

「Go toトラベル」の開始直前、安倍政権内部は相当混乱していた。まず、キャンペーンの割り引き対象がなかなか確定できなかった。17日になってやっと東京を対象から除外すると決定し、感染して重症化するリスクが高い層も対象から除外した。

日本政府は現在、年齢や団体ツアーの人数など詳細な線引きの基準について話し合いを続けている。しかし日本の人口の約10分の1を占める東京を除外したため、消費喚起策としては本来の意義を失ったといえる。

次に、「Go toトラベル」政策の実際の効果はそれほどでもない。安倍晋三首相は21日に自民党上層部の会議で、同政策の実施の意義を強調し、「夏休みになっても観光客が来なければ、観光業にとっては死活問題だ」と述べた。

ただ実際の状況をみると、日本国民はそもそも旅行に出かけたいという意欲がそれほど高くない。日本の明治安田生命は6月15-18日、20歳から59歳の1120人を対象にオンライン調査を行った。「夏休みの過ごし方」をたずねたところ、60.6%が「家にいてのんびりする」と答え、昨年の56.2%を上回った。「里帰りする」は8.5%で昨年の14.6%を下回り、「国内旅行をする」も7.1%で昨年の13.4%を下回った。「海外旅行をする」はわずか0.5%、昨年は3.6%だった。また今年の夏休みは平均7.9日間で例年より短くなり、「夏休みが短くなった」とした人の数は昨年の2倍以上だった。

明治安田生命が21日に発表した調査結果をみると、感染症のため、日本の成人が今年の夏休みにかける予算の平均は約6万5千円で、同社が2006年にこの調査を開始してから最低水準だった。

報道によれば、東京にある旅行会社は「Go toトラベル」で5件の予約が入っていたが、東京を対象から除外すると政府が発表するやいなや、3件がキャンセルになったという。

安倍政権の「Go toトラベル」政策の方針が触れ動き、日本の観光業界には大きな困惑が広がった。一部の業界関係者は、「政府の政策は詰めが甘く、経済活性化策の実効性に疑問の声が上がっている。旅行会社はやっと入った予約が相次いでキャンセルになり、企業経営への自信を失い、『先が見えない』感覚に襲われている。こうした実効性に乏しい経済喚起策より、政府が感染症対策を着実にしっかりと行い、感染症の蔓延を食い止めることこそが根本的な出口になる」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年8月3日

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