利用者がより関心を寄せるのは、自分がどのようなシーンでデジタル人民元を使用できるのかということだ。楊氏は、「チャージと現金引き出しができるほか、デジタル人民元は利用者間の送金もでき、消費もできる」と説明した。
楊氏によると、「現在の試行段階で対応する応用シーンには、小売、外食、乗車カードのチャージなどがあり、これから試行が進むにつれて、応用シーンはより広い範囲へ拡大するだろう」という。
イメージ5:将来、アリペイと微信の相互送金が実現するか?
現在、大部分の人が使い慣れているのは支付宝(アリペイ)や微信支付(WeChatペイメント)などの第三者決済機関による決済だ。デジタル人民元は将来、第三者決済機関の地位を脅かすだろうか。
畢氏は、「人民銀行のデジタル人民元とアリペイ、WeChatペイメントとの最大の違いは法定権利の相違にある。人民銀行のデジタル通貨は国が裏書きし、法定通貨と同等のものだ。しかし一般の人々の第三者決済サービス機関にある資産は実は記帳であり、すべて商業銀行の決算に基づいている。人民銀行のデジタル通貨が微信と支付宝の市場での地位に打撃を与えるかどうかは、市場が自身で決定するプロセスであり、利用時の便利さ、商業的価値、経済規模などによって決まる」と述べた。
デジタル人民元の登場に伴い、将来はアリペイとWeChatの間で相互に送金できるようになるだろうか。楊氏は、「それについては主に意欲と能力の2点を考えることになる。デジタル人民元は人民銀行が国の信用に基づいて発行する法定デジタル通貨であり、どの取引場面でも必ず無条件に受け取らなければならないもので、商業銀行や第三者決済機関との間で送金機能に対応しなければならない。意欲についていえば、商業銀行間のデジタル人民元送金は大きな問題ではないが、第三者決済には業務の壁が存在し、異なるプラットフォーム間では各自が自身のビジネス生態圏を守ろうとして、しばらくは相互の送金が実現しない可能性があるが、将来的に相互送金の機能が実現する可能性も排除できない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年8月24日