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海と陸の新ルートが中国西部の新たな原動力に

人民網日本語版 2020年12月28日09:12
海と陸の新ルートが中国西部の新たな原動力に
7月22日、西部陸海新ルート「賀州一北部湾港」の桂東海路・鉄道結合輸送便の開通セレモニーが広西チワン族自治区賀州で開催。石粉、炭酸カルシウムなどの建築資材を満載した50コンテナを積んだ貨物列車が、北海鉄山港に向かって出発した(聶志成/人民図片)。

重慶市忠県の柑橘類がシンガポールで人気となり、マレーシアの新鮮なドリアンが重慶のスーパーで飛ぶように売れ、重慶で製造されたライトトラックを積んだ貨物船がフィリピンの港に到着している。

第13次五カ年計画(2016‐20年)期間中、「西部陸海新ルート(中国西部エリアの海と陸の新ルート)」が開通して同エリアと世界各地が繋がり、重慶市や四川省、貴州省、甘粛省などから出荷された貨物が、鉄道で南下し、広西壮(チワン)族自治区欽州市の港など沿海の通関地で、船に乗り換え、世界へと輸出されている。

西部陸海新ルートは、現在すでに成熟した国際貿易ルートとなっている。11月30日の時点で、重慶と欽州を結ぶ西部陸海新ルートの鉄道・海路結合輸送便は累計で2717便運行され、延べ約98億4000万元(1元は約15.9円)相当の輸出貨物、延べ約72億8000万元相当の国内取引貨物が輸送された。

交通と物流はこれまで重慶にとって対外開放のうえで大きなボトルネックになっていた。重慶から水路を使うと、長江の河口まで約2000キロもある。一方、重慶から広西チワン族自治区欽州市の港までの距離は約1000キロだ。

「東の河口まではかなり遠いので、南下できないかと考えた」と話す重慶市政府通関地物流弁公室の胡紅兵副主任によると、2017年から、重慶は南下する物流ルートの建設推進計画を進めるようになり、同年9月25日に、南下する鉄道と海路がリンクする定期ルートが開設。第一便が重慶から出発した。それにより、西部の企業には南下して西部から海に出るという新しい選択肢ができた。

重慶市璧山区にある大江動力設備製造有限公司の熊暁華・総経理は、「以前、東部エリアを経て海路に切り替えるルートでは、東南アジアまで1ヶ月近くかかっていた。今は、鉄道で欽州市の港まで運ぶことができるようになり、全過程がわずか約1週間にまで短縮した。当社は毎月、400万ドル(1ドルは約103.6円)相当以上の製品を、西部の陸海新ルートを通して東南アジア市場に輸出している」と話す。

新ルートが開設され、効率も向上した。現時点で、西部陸海新ルートを通して輸送される貨物の種類は500種類以上に上り、95ヶ国・地域の249港に向けて輸出されている。胡副主任によると、西部陸海新ルートができ、重慶の物流ターミナルとしての役割がより際立つようになった。西に向かう国際定期貨物列車「中欧班列」、南に向かう西部陸海新ルート、東に向かう「ゴールデン水路」と称される長江航路が重慶でつながるからだ。今年1月から9月にかけて、西部陸海新ルートと、中欧班列(重慶-ドイツ・デュースブルク)、長江航路を通して、65億元以上相当の貨物を積んだ6500コンテナ以上が輸送された。陸海新通道運営有限公司の劉義真総経理助理は、「複数のルートとつながっているため、鉄道で運ばれたコンテナを船に積み替え、海路で運ばれたコンテナを鉄道に積み替えることができるようになり、輸出入貨物が『ワン切符』で目的地まで輸送できるようになった。途中で中の荷物を積み卸しする必要はないため、荷物の破損率も最大限低減することができている」と説明する。

新ルートが開設され、新たな貿易ルールもできた。「信用状決済+海路―鉄道リンク」により、沿海地域の国際金融・決算が内陸部に導入されている。劉総経理助理は、「当社は中国銀行と契約を締結し、鉄道・海路結合輸送便で輸送される輸出入貨物運送状を重慶で発行している。全プロセスを、1枚の運送状で輸送でき、リンクの効率が向上した。輸出入企業は船荷証券を使って融資することもでき、資金コストを削減できる。現在、西部陸海新ルートはすでに中国西部エリアの12省をカバーしており、西部エリアの対外開放水準が一層向上している。2019年、東南アジア諸国連合(ASEAN)との輸出入総額は前年比で、重慶が43.2%増、甘粛省が47.2%増、四川省が19.7%増、広西チワン族自治区が13.3%増となった」と話す。

西部陸海新ルートは現在、西部エリアの開発と開放のために強力なエネルギーを注入している。「西部陸海新ルートをめぐっては、『13+1』の省・区・市が連携して共同構築する構造が形成されている」と話す重慶市政府通関地物流弁公室の巴川江主任によると、昨年10月、西部12省は海南省、広東省湛江市と、重慶で「西部陸海新ルートを共同構築する枠組み協定」に調印した。それをベースに、重慶は西部陸海新ルート物流・運営組織センターを立ち上げ、今はルート沿線の税関、通関地、交通などの当局と連携して、西部陸海新ルート公共情報プラットフォームを構築して、連携がウィンウィンになるよう取り組んでいる。実際の運営において、各省の運営者は「陸海新ルート会社」名義で、業務を展開し、サービスネットワークを拡大し、共に話し合い、共に建設し、共に分かち合っている。そして、西部エリアが世界中の資源統合、経済一体化を実現できるよう全力で牽引している。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年12月28日 

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