勢いよく発展する中国の氷雪経済

人民網日本語版 2021年02月02日14:55

2020年12月6日、新疆維吾爾(ウイグル)自治区烏魯木斉(ウルムチ)のシルクロードスキー場で、スキー愛好家が標高の高いコースを滑る様子。(撮影・張秀科。写真提供は人民図片)

「スキーを愛する者として、ずっと新疆維吾爾(ウイグル)自治区で滑りたいと思っていて、ついに夢がかなった」。同自治区阿勒泰(アルタイ)市の将軍山スキー場で、スキー愛好家の張勇さんはこのように語った。

吉林省の霧氷、哈爾浜(ハルビン)市の氷の彫刻、四川省と西蔵(チベット)自治区にまたがる雪山の日の出、アルタイ市可可托海の雪山の峡谷、黒竜江省伊春市の雪景色の中にある温泉……ここ数年、中国では氷雪観光が安定的な急成長傾向を維持している。美団プラットフォームのビッグデータによると、2019年下半期の雪のシーズンに、中国国内の氷雪観光商品の注文額は前年同期比8.29%増加し、注文量は14.15%増加した。20年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、対策をしっかり行うと同時に、氷雪観光の急速な回復を実現した。20年下半期の雪シーズンになると、全国の氷雪観光商品の注文額は13.61%増加し、注文量は23.46%増加した。

美団研究院が発表した報告書によると、中国の氷雪観光は規模が拡大すると同時に、新しい特徴をみせるようになった。1つ目の特徴は、消費の中身がさまざまな業態へと拡大発展し、氷雪観光と文化観光、スポーツ観光などとの融合が急速に進んだこと。2つ目の特徴は、氷雪楽園、氷雪世界といった観光プロジェクトが消費者の間で人気を集め、80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)が氷雪観光消費の中心になったこと。3つ目の特徴は、消費者が氷雪観光の目的地を選択する時、ネットでの口コミにより注目するようになり、観光地のサービス水準により高い要求を出すようになったことだ。

中国社会科学院観光研究センターの呉若山特約研究員は、「ウィンタースポーツと氷雪観光のポテンシャルはまだまだ大きく、ポテンシャルを発揮できるかどうかのカギは体験の向上にある。消費者のニーズという角度から出発して、サービスの質を引き上げ商品をより豊富にし、氷雪観光の文化的な内容を充実させることが必要だ」との見方を示した。

国家級の無形文化遺産として、漁業従事者の祖先たちの勤勉さや知恵を伝える吉林省・査干湖の伝統漁「冬捕」は、イノベーションと伝承の中で内容豊富な氷雪の民俗文化を形成し、毎年12月末になると、評判を聞いた大勢の観光客が訪れるようになった。

伊春市の金山小鎮の「氷湖雪村」、豊林県の「自在香里」の自然・田園融合体、鉄力林業局小黒河の林場、小興安嶺アウトドアスポーツバレーなどは、昔からある森林地帯の生産と生活のスタイルを復元し、観光客が氷と雪の中で現地の特色ある森林文化、民俗文化、グルメ文化を体験できるようにした。

氷雪観光の知名度を上げるため、黒竜江省大興安嶺地区塔河県文化・スポーツ・ラジオ・テレビ・観光局はオンライン観光PRチームを立ち上げ、現地の素晴らしい自然、氷景色・雪景色、人的・文化的特色と結びつけた創作活動を行い、中国のショート動画共有アプリ「抖音(Tik Tok)」をはじめとするプラットフォームでショート動画やライブ中継の形で情報を発信し、ネットワーク全体で66万人を超えるフォロワーを獲得した。再生回数は6億回に上り、再生回数が5千万回を超えた動画が複数ある。

氷雪経済は各種の氷雪関連装備にも火を付けた。このほど行われた2021年ハルビンオンライン氷雪博覧会には、雪と氷に関連したさまざまな新しい設備・器材が登場した。

同博覧会のプロジェクト責任者の劉楽楽さんは、「博覧会が(オフライン開催から)オンライン開催に変わったので、出展企業の意欲が低下すると思っていた。まさか開幕式当日、アクセス数がのべ9313万回にもなるとは思ってもいなかった。博覧会には中国内外の4380社あまりの企業が参加し、氷と雪に関連した設備・器材、衣類・服飾品、スケート場・スキー場の周辺ビジネス、氷の彫刻ツール、氷雪観光、寒冷地の食品という6つの専門テーマのエリアが設置され、1月18日の時点で、オンラインプラットフォームにおける取引額は5813万元(約9億4281万円)に達した」と話した。(編集KS)

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