2020年に中国で初めて「ブロックチェーン・プロジェクト」専攻が成都情報工程大学(四川省成都市)に設置され、学生の募集が行なわれたのに続き、今年に入り、ブロックチェーン専攻が各地で相次いで設置され始めている。「北京日報」アプリが伝えた。
教育部(省)の公式サイトでこのほど発表された「2020年度一般大学の本科専攻の登録・審査認可の結果」の中で注目されるのは、新たに増設・登録された4年制大学の専攻リストの中に、14の大学に増設された「ブロックチェーン・プロジェクト」専攻があったことだ。
公開された情報によると、福州工商学院(福建省福州市)の「ブロックチェーン・プロジェクト」専攻は、福建省初のブロックチェーン専攻で、21年から学生を募集するという。
ここ数年、デジタル資産の基盤技術であるブロックチェーンは徐々に人々の視野に入ってきており、そしてブロックチェーン技術のロジックにより未来の社会の信用のあり方を再構築できるものとして、「インダストリー4.0の新技術」と呼ばれている。20年4月、ブロックチェーンは人工知能(AI)、クラウドコンピューティングなどとともに新インフラ整備の内容に組み込まれた。
現在は人材不足がブロックチェーン産業の発展を制約する重要な要因になりつつある。ブロックチェーン技術研究・サービス企業の欧科雲鏈集団の創業者の徐明星氏は、「人材育成が早急に解決しなければならない目下の難題の1つだ。新たな科学技術革命の重要な時期にあって、中国はブロックチェーン技術の優位に立ち、中核技術を確立する必要があり、この目標の実現の前提は大量のブロックチェーン業界の人材を育成することだ。人材がいなければ、ブロックチェーン分野の発言権と主導権を握れない」と述べた。
しかし、ブロックチェーン業界全体が直面する問題は、この業界が比較的新しいため、ブロックチェーン自身がコンピューター、ビッグデータ、金融など複数の学科と融合し、ハードルの高い学科になっていることだ。現在、本当の意味でブロックチェーン技術の枠組の構想をもつ専門的人材は少ない。世界的に有名な調査会社のガートナーは、「今後5年間、中国ではブロックチェーン人材が75万人以上不足する」と予測した。
業界関係者によると、「ブロックチェーン人材チームを建設するには各界が一緒になって共に建設する必要がある。人材育成部分と人材活用部分のズレは長く続いており、新興の専攻については、こうした問題を根本的に解決する方法を考えなくてはならない」という。欧科雲鏈の胡超副総裁は、「当社の長年にわたる産学研用が一体化した実践経験が証明するように、政府、専門機関、企業が産業の人材育成拠点を共同建設するのが有効な方法だ。より多くの業界企業が仲間に加わるよう呼びかける」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月11日