様々なシーンに静かに溶け込むブロックチェーン 司法や領収書など

人民網日本語版 2019年12月12日15:10

最近、ネット作家の陳虹■(品の口が火)さんの創作習慣に1つの変化が起きた。原稿の一部を書き終えると、内容を保存するだけではなく、原稿の情報を目に見えず、触ることもできないデータリンクに送信し、自分の無形の知的財産に「鍵」をかけるという。アクセス先の「司法のブロックチェーン」の技術プラットフォームは、杭州市のインターネット裁判所が構築したものだ。新華社が伝えた。

人々に「よく話題に上るがよくわからない」と言われるブロックチェーン技術だが、実はひそかに司法場面での証拠保存、公務管理、生活サービス、食品のトレサビリティ、供給チェーンの管理などさまざまなシーンでの応用が始まっている。同時に、データの相互接続や協調の難しさというボトルネックが、応用の普及拡大で目立った問題にもなっている。

創作、ネットショッピング、領収書発行……ブロックチェーン技術が日常生活に溶け込みつつある

ブロックチェーンは「オープンで透明」、「改ざんできない」、「削除できない」といった特徴により、司法場面での証拠保存や商品のトレサビリティといった分野において非常に大きな応用の可能性を生み出してきた。

前出の陳さんは、「原稿を送信するだけで、システムが自動的に1組のデータを生成してくれる。容量はわずか3キロバイトほどで、ハッシュ値の暗号データであり、原稿の唯一の身分証明書になり、これで知財権侵害のトラブルを心配しなくてよくなった」と話す。

杭州市の黄さんは最近、輸入粉ミルクを購入した。商品を受け取って見てみると、缶の上部に小さなQRコードがあったので、携帯電話でスキャンしてみた。するとオーストラリアから杭州まで「はるばる海を越えて」やってきた商品のすべての物流情報を見ることができた。今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)期間には、天猫(Tmall)プラットフォームが扱った世界100数ヶ国からの4億点近い海外通販商品に、このような「身分証」がついていた。

筆者はこのほど深セン市の宝安スポーツセンター駐車場に行くと、ブロックチェーンの電子領収書発行プロセスを体験することができた。その場でQRコードをスキャンし、車のナンバーを打ち込み、携帯電話で駐車場料金を支払うと、駐車システムの微信(WeChat)アカウントが自動的に「領収書申請通知」のリンク情報を送ってくれる。そこにアクセスして、領収書のあて名と納税者識別番号を打ち込み、1回キーを押すと電子領収書が発行された。支払いから発行まで全プロセスに2分もかからなかった。

現在、ブロックチェーンによる電子領収書が深センの一部の銀行、スーパー、地下鉄、タクシー、空港バスなどで相次ぎ応用されており、関連企業は7600社を超え、領収書発行数は1千万枚を超え、金額は70億元(1元は約15.4円)を超えた。

騰訊(テンセント)の説明では、テンセントクラウドのブロックチェーンオープンプラットフォームはここ2年ほどの間にさまざまなシーンでの応用を次々と実現させた。それには、保険の損害賠償、資金の決済、電子手形、サプライチェーン・ファイナンス、スマート医療、社会貢献活動などの分野が含まれる。

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