中国では近年、ペット経済が爆発的な成長を見せ、ペット市場の規模も急速に拡大している。しかし、衝動的にネコを購入してしまったというケースも少なくなく、それによる飼育放棄や捨て猫が生じる状況をできるだけ減らそうと、上海のあるネコカフェが、「お試し飼育」サービスを打ち出している。初めてネコを飼う人が後悔した場合でも、これにより「勉強代」を支払うだけでネコを返品できるサービスだ。中国新聞網が報じた。
ネコカフェのオーナー・葉さんによると、「お試し飼育」サービスは、購入者がまず全額を支払い、返品する場合は、一部を返金する方法で提供されている。またこのサービスは同店の「目玉サービス」として打ち出しているのではなく、ネコを飼いたいものの、ネコが順応できなかった場合、どうしようもなくなってしまうことを心配する人もいるため、思いついたという。また、「まず、本当に購入する気持ちがあるのかを確認するのが前提」だとしている。
葉さんは、「ネコを初めて飼う人は、想像と全然違うと感じることもある。『お試し飼育』サービスは、捨てられたりして、野良猫になってしまうケースを回避するため」と説明する。
返品する場合の返金方法は2種類設定されている。1つはネコが数日間何も飲まず食わずだったり、猫汎白血球減少症の発症や腹水が溜まるなど、ストレス反応が生じた場合で、全額が返金され、そのネコがその飼い主に売られることは無い。もう1つは、購入者側にアレルギーが出たり、家族に反対されるといった原因から返品される場合で、規定に基づいて一部費用を差し引いてから返金される。葉さんによると、「ネコを返品する人は現時点ではあまりいない。返品する人は、家族や仕事などが主な原因となっている。ネコは年間50‐60匹売れており、うち返品されるのはわずか2-3匹ほど」という。
現在、同店が設定する「お試し飼育」サービスの返品期限は1週間、2週間、1ヶ月となっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年5月12日