中国国務院第7回全国国勢調査指導グループの副グループ長を務める国家統計局の寧吉喆局長は、国務院新聞弁公室が今月11日に開いた記者会見で、「ここ10年、中国の総人口は増加の一途をたどり、依然として世界最多の人口を抱えている。人口の質が安定して向上したほか、国民の受ける教育の程度も目に見えて向上している。人口構造が調整され変化し、男女比率も改善し、人口の割合は、0-14歳が上昇、15-59歳が下降、60歳以上が上昇だった。人口流動がさらに活発化し、都市部に集まるようになっているため、都市化がさらに進んでいる」と説明した。科技日報が報じた。
ここ10年、中国の人口の主な変化は、中国の経済、社会、人口の発展の進展を反映しているほか、人口の発展の動向や人口と経済、社会との相互作用の客観的規律にもマッチしている。また、国勢調査のデータは、人口推移の過程で直面する構造的課題も反映している。例えば、生産年齢(16-59歳)の人口や出産適齢期の女性の規模が縮小している一方で、高齢化が深刻化し、合計特殊出生率が低下、出生数も伸び悩んでいる。
寧局長は、「人口の変化が経済社会に対する影響を見極めなければならない」とし、その分析として、以下の5点を挙げた。
まず、中国の人口基数は大きく、人口が多いという基本的な国情に変化はない。国内市場は特大規模という優位性は今後も長期にわたって存在し、人口と資源環境は依然として、ギリギリのところでバランスを取っている状態が続くだろう。人口増加ペースは鈍化しており、人口が長期にわたってバランスよく発展するよう対策を講じる必要がある。
次に、労働力資源は依然として豊富で、人口ボーナスが引き続き存在すると同時に、生産年齢人口がゆっくりとしたペースで年々減少しているため、経済構造やテクノロジーの発展を調整して対応する必要がある。
3つ目に、国民の素養が継続的に向上し、人材ボーナスの新たな優位性が次第に明らかになってきつつある。また、大学生の就職のプレッシャーが増しており、産業のモデル転換と高度化を加速させる必要がある。
4つ目に、15歳未満人口と高齢人口の割合が上昇している。15歳未満人口の割合の上昇は、出産関連の政策の調整が功を奏していることを反映しているほか、「高齢者と子ども」をめぐる課題解決の重要性を際立たせており、出産関連の政策を最適化し、養育などの人口サービス体系を整備する必要がある。高齢人口の割合が急上昇しており、高齢化は今後しばらくの間、中国の基本的な国情となりそうだ。
最後に人口の都市部への集中が加速していることは、都市化や集積の経済の傾向、変化を反映しており、都市化の質向上や地域の調和した発展促進が一層重要性を帯びるようになっている。
2010年から2020年までの10年間、中国の人口増加ペースは鈍化したが、こうした動向をどう見るべきか?
寧局長は、「このような動向が生じたのは、さまざまな要素の影響が重なった結果だ。主な原因は、出産適齢期の女性、特に、最適齢期の女性の数が減少の一途をたどっているほか、晩産化が進み、養育費が上昇していることなどがある。それらの要素により、出生数が減少している。これは、中国の経済発展、特に、工業化と都市化の発展が一定の段階に達した客観的結果であり、世界でも特に多くの先進国が直面している問題だ」との見方を示した。
そして、「近年の中国の人口の発展と変化の動向を見ると、今後も、人口増加のペースは引き続き鈍化するだろう。また、人口増加は、年齢別人口、国民の出産に対する観念、出産関連の政策、出産コスト、公共衛生、健康水準など、経済と社会の要素の影響も受ける。具体的な時期はまだはっきりしないが、中国の人口はピークに達し、今後しばらくの間は14億人以上をキープすると見られる」との予測を語った。
国勢調査の結果によると、中国の生産年齢人口は8億8000万人で、労働力人口資源は依然として豊富だ。また、中国の人口の平均年齢は38.8歳となっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年5月12日