中国で初めて360度あらゆる方向から取り囲むよう立体編集する音響技術、4K画質を採用した広東粤劇(広東オペラ)映画「白蛇伝·情」が今月20日、公開された。同作品は、中国の四大民間説話のひとつ「白蛇伝」を題材に、伝統の継承を軸として、現代の思想と結びつけ、「情」を主線として、人々があこがれる美しい恋愛と真善美を描き出している。
同作品は、公開に先立ち、北京や鄭州、西安、上海、南京、杭州、成都、南寧、仏山などで先行上映が行われ、「優美な節回し、美しい映像を通して、中国伝統文化の素晴らしさを感じることができた」という声が寄せられるなど、若者の間で高く評価された。また、同作品の予告動画が最近、動画共有サイト「bilibili」(ビリビリ)で配信されると、たちまち話題を集め、「素敵」や「ロマンチック」などと称賛するコメントが続々と寄せられた。また、「宋の時代の美学が反映された情緒漂う映像の中の一挙一動を通して、伝統演劇のあるべき姿を見ることができた」というコメントも寄せられている。若者の間で高く評価されていることから、伝統的な広東オペラ文化が、「世代の壁」を打ち破ることに成功したと言えるだろう。
同作品は、若者も受け入れることのできるスタイルで映画化され、伝統的文化の魅力を伝え、「広東オペラ大作」となり、優秀な伝統文化に新たな活力を注入している。白素貞と小青が登場すると、西湖、靄、小橋、蓮の花、油紙傘などと相まって、水墨画のムードが満載に。どのシーンもスマホの美しい待ち受け画像のようで、宋の時代の水墨画の中に身を置いているような気分に浸ることができる。有名な白素貞と法海和尚が熾烈な戦いを繰り広げるシーン「水漫金山」は6分間にわたって繰り広げられ、その激しい波のリアルな視覚効果は見る人をドキドキハラハラさせ、法海と白素貞の対立する感情も一気にヒートアップ。広東オペラファンでなくても、存分に楽しむことができる。戯曲を映画化した「白蛇伝·情」は、伝統演劇の目玉である節回しや手の動き、セリフなどを、西洋楽器である弦楽器やホルン、さらには伝統楽器の尺八などと大胆に融合させ、映画の表現スタイルをうまく使っており、広東オペラという無形文化遺産を継承するうえで、価値あるチャレンジを行っていると言えるだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年5月21日