中国科学院青蔵高原研究所が4日に明らかにしたところによると、同研究所の湖沼・環境変化チームは初めて青蔵高原(チベット高原)ナムツォ湖中心エリアの水深100メートル近くの地点で、144.79メートルのコアの掘削に成功した。掘削深度は153.44メートル。この非常に長いコアの掘削により、過去15万年近くの連続的な気候環境の記録を再現できる見通しだ。科技日報が伝えた。
これまで中国の高原湖沼の最大掘削深度は114.9メートルだったが、今回の掘削で初めて150メートル級に達した。チベット高原の奥地に位置するナムツォ湖の湖面の標高は約4730メートル。水深が深く波が高いナムツォ湖の環境をめぐり、同チームは掘削企業と協力し技術の研究開発に取り組んだ。水上掘削プラットフォームが安定せず、ケーシングパイプの固定が困難といった技術の難題を一つずつ解決した。
4つの重さ200キロ以上の重りとウインチによりワイヤーを引き締め、最終的に81平方メートルの大型掘削プラットフォームを湖面にしっかりと固定した。今回のナムツォ湖掘削は3日午後6時45分に予定の目標を達成した。これは中国がすでに独自開発の技術を利用し、深水エリアで長くコア採取率が高い湖沼コアを取得できることを示している。
ナムツォ湖掘削プロジェクトの責任者を務める中国科学院青蔵高原研究所の王君波研究員は「第2回青蔵科学調査が始まると、我々はナムツォ湖や色林錯湖などチベット北部の高原の深く面積の広い湖を主な研究エリアとし、ナムツォ湖で多くの湖沼観測の一次資料を取得した。アジアの水塔の水資源の変化及び気候変動への反応、気候変動を背景とするアジアの水塔の変化傾向、古代の環境変動などの観測と研究を展開した。そのうちナムツォ湖の長いコアの掘削は、我々の重点的な研究開発の課題だ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年8月5日