個性を身にまとうのを好む現代の若者「Z世代」(1995年から2009年までの間に生まれた人)たちは、キッチンにはセルフ火鍋、タニシ麺、アイスコーヒー、プロテインバーが置かれ、「完美日記」の口紅、「瑪麗黛佳」のマスカラ、「花西子」のパウダーなどの国産化粧品を日常的に使用する………天猫(Tmall)がまとめたデータによると、「90後(1990年代生まれ)」は国産品の平均消費額がすでに6千元(1元は約17.2円)を超えたという。「銭江晩報」が伝えた。
「今時の若者は消費の大きな波の上に乗って、1つまた1つと非常にボリュームの大きな消費市場を生み出している」と感慨深げに話す人がいる。若者たちは中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド「国潮」が、なぜこれほど好きなのだろうか。
天猫618で勢いある若者たち 755の新ブランドが1日で100万元の売り上げ
若者が熱心に追いかける国産品は、「ブレイクの年」を迎えた。今年の天猫のショッピングイベント「618」には、25万のブランドが参加し、前年同期の2.5倍になった。イベント期間中に初お目見えの新製品140万種類が登場。その中には誕生したばかりの国産品ブランドのものが少なくない。イベント初日の6月1日には、新しく誕生した755ブランドの取引額が100万元を超え、中でも消費者層の新たなニーズを鋭く察知した、ニッチな小規模ブランドが多く、細分化した競争の中でトップを走っている。
阿里研究院の「中国ブランド発展報告2021」によると、「2016年に供給側改革がスタートして以来、新ブランドが年々増加した。2020年の天猫における新ブランドの売上高は2016年の17.9倍になった」という。
創業300年以上にしてイノベーション満載の老舗 4千万人の「95後」はネットで購入
天猫プラットフォームのデータ記録によると、創業59年のブランド「大白兎」と創業56年の「美加浄」が手を組み、天猫でミルクキャラメルフレーバーのリップクリームを売り出すと、2秒で完売した。「80後(1980年代生まれ)」と「90後(1990年代生まれ)」が子ども時代に使っていた「六神」とカクテルの「RIO」が手を結び、オーデコロンの香りがするカクテルを売り出すと、これも17秒で完売した。殻を破って新たな姿を見せる国潮の国産品は、若い新興ブランドだけでなく、その多くが年月を重ねてますます盛んな老舗によるものだ。
統計データによると、毎年、4千万人の「95後(1995年から1999年生まれ)」が天猫で老舗の商品を購入する。老舗が若者に人気の理由は、長い歴史があり、精巧なつくりの商品を打ち出しているからだけでなく、老舗が時代と歩調を合わせ、新たなニーズに応えているからだ。
若者は重い包丁は使いたがらない。そこで、創業393年になる刃物ブランド「張小泉」は新たな挑戦に踏み出し、なんとキッチンばさみの刃を菜切り包丁と同じ厚さにした。